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グラスの話(2)

Posted by 倖成卓志 on 17.2009 特集 2 comments 1 trackback
ワンフィンガーでやるも良し

ツーフィンガーでやるも良し


(村松友視)
  -  ○  -  ●  -  ○  -  ●  -  ○  -


 懐かしい言葉で初めてみました。20代の方はご存じないかも知れませんが、1986年、「サントリー・オールド」のCMで作家の村松友視氏がグラスを手に「ワンフィンガーでやるも良し。ツーフィンガーでやるも良し」と渋く語り、このダンディな雰囲気にウィスキーへ憧れを抱いた若者が増えたそうです。
 「ワンフィンガー、ツーフィンガー」という言葉はその翌1987年に「流行語大賞」に選ばれています。

  -  ○  -  ●  -  ○  -  ●  -  ○  -


 ショットグラス
 ウィスキーを「ストレート」、つまり水やソーダ水などで割らずに、そのままで飲む場合に使われるのが、「ショット・グラス」です。

 1ショット=30ml。
 これは日本でもアメリカでも共通です。
 ただし、イングランドでは1ショット=45ml、スコットランドでは1ショット=60mlと変わります、

 グラスを変えた場合に、先の言葉が出てきます。

オールドファッションドグラス

 「オールド・ファッションド・グラス」。
 日本では、「ロック・グラス」と呼ばれる代物です。このグラスにウィスキーを注いだときに、底から指1本分の高さが「ワン・フィンガー」、2本分の高さが「ツー・フィンガー」というわけ。
 この「ワン・フィンガー」と「1ショット」の分量はほぼ同じです。「ツー・フィンガー」を「ダブル」と言い表す場合もあります。
 この表現自体が古いこともさることながら、日本ではウィスキーをストレートで飲む人が比較的少ないため、一時期流行ったこの言葉もすたれ、若いバーテンダーさんには通じないこともあるので、あまり使わない方がいいかも知れませんね。
 逆に、往年のバーテンダーさん相手なら、少しキザっぽく「ワン・フィンガーで」とやるのも面白いかも。

 ちなみに、この言葉自体はサントリーのオリジナルではなく、15世紀頃のイングランドでいつしか使われた言葉のようです。

  -  ○  -  ●  -  ○  -  ●  -  ○  -


 日本で「ロック・グラス」と呼ばれる所以は、このグラスにウィスキーを注ぎ、氷塊を浮かべた「オン・ザ・ロック」というスタイルが流行ったためと思われます。

 ところで、
 少し古い本などを見ると、
 「ウィスキーはそのまま飲むもので、水で割るのは日本人だけ」
 とか、
 「『オン・ザ・ロック』という言葉は日本だけのもので、外国では通じない」
 とか、
 「ウィスキーを何かで割ってくれなんて頼んだら、外国では笑われる」
 などといった文章が見受けられたものです。


 ねえ、根拠は?


 実は、上記の内容は日本でもっともらしく語られていた内容なのですが、まったく根拠がありません。

 順番は変わりますが、まずは3番目「何かで割って・・・笑われる」というもの。
 こんなのは、まったくの嘘です。
 ウィスキーをソーダ水などで割った、Whisky - Highball【ウィスキー・ハイボール】。あるいは、ウィスキーを水で割って、砂糖を入れ、シナモン・スティックなどを入れたWhisky - Toddy 【ウィスキー・トディー】。これらは定番です。
 さらに、トディーを水からお湯に変えたHot - Whisky - Toddy 【ホット・ウィスキー・トディー】は寒い冬によく飲まれています。


 「水で割るのは日本人だけ」というのは、部分的には正しいです。ストレートで飲むには、日本人にはつらいものがあります。度数の高いアルコール飲料があまりないからです。ただしこれは、日本が世界でも数少ない、水がそのまま飲める国だからというものもあります。
 これは、日本に住んでいる人ほど実感しないと言われていることなのですが、蛇口から出てくる水を何の躊躇もなく飲めるほどに上質の(あるいは丁寧に濾過された)水を持つ国は、先進国でもかなり稀です。割ることのできるほどに品質の良い水があるからこそできる技と言えます。
 実際、「The Nose[偉大なる鼻]」ロバート=ヒックスは、日本人がウィスキーを水で割ると知って、それを笑うどころか、日本人向けに「水で割っても、氷を入れても美味しく感じるウィスキー」を造りだしています。
 それが、「Ballantine's aged 12 yers 【バランタイン・12年】」、いわゆる「新12年」です。
 これは、トゥワイス・アップ(酒:水=1:1の水割り)にしたときに最高のポテンシャルをもたらすとされる、ヒックス自慢の一品となっています。




 余談ですが、この「偉大なる鼻」ロバート。バランタインのマスター・ブレンダーですが、何故か今はラフロイグ蒸留所にいます。ラフロイグ蒸留所長のジョン=キャンベルが新しい試みを次々に打ち出していて、そのアドバイスをロバートから受けているようです。詳細はよく分かりませんが、低迷気味のウィスキー業界が活性化されるのはとても良いことだと思います。

 さて、最後。
 「オン・ザ・ロック」は和製英語です。しかし、アメリカでは一部で通用すると思われます。
 というのも、アメリカのカクテル・サイトをいろいろ歩き回っているときに、「『On the Rocks』グラスを使え」とか、「『On the Rocks』スタイルで」という内容をいくつも見かけたからです。もしかすると、「Samurai【サムライ】」や「Cosplay【コスプレ】」のように、日本の文化の一端を表す言葉として、受け入れられ、広がっているのかも知れません。
 これも、日本ではあまり意識されていないんじゃないと感じていることなのですが、アメリカ(バーボン・ウィスキー)やスコットランド(スコッチ・ウィスキー)では日本市場への関心が非常に高く、「日本のみ、期間限定販売」のウィスキーとか「蒸留所長、日本に深い関心を示す」といったコメントを出しているケースが見受けられます。

 日本のウィスキーも世界5大ウィスキーのひとつに数えられていることですし、「ウィスキー・ハイボール」も今年だけの一過性の流行では終わってもらいたくないものです。
 他国とも協力しつつ、日本の誇る文化のひとつとして「ウィスキー」というものが、深く深く根付いてくれることを切に願っています。
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グラスの話、大変面白かったです。
私も以前グラスに興味を持ち、起源から詳しく調べようと図書館で文献を探したのですが、残念ながらめぐり合えずそのままになってしまいました。
これを機会にもう一度探してみようかと思います。
2009.12.19 08:17 | URL | ルチル #I9hX1OkI [edit]
 カクテルに使われるグラスは種類が非常に多くて、カクテルの種類ごとや酒類ごとに使い分けているようなこだわりの店(バー)もありますね。
 
 グラスは食器(食文化)としても、工芸品としても非常に歴史が深く、用途も様々なので、国立や県立の図書館などに行くと詳細な研究所も多々あります(到底書ききれませんが)。
 一見、オマケのような存在のグラスから、カクテルやお酒を探るというのもまた面白いものです。
2009.12.19 20:38 | URL | 倖成卓志 #- [edit]


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鵜の目、鷹の目の倖成さんところで「グラスの話」を書かれていたこと触発されましたので、思い出しつつ以前書こうとしたことを書いてみまし...

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