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Wine - 第1回 闘牛

Posted by 倖成卓志 on 26.2006 魅惑のワイン 0 comments 0 trackback
 スペインといえば「フラメンコ」と「闘牛」。Matador 【マタドール】 と呼ばれる闘牛士と闘牛とが Arena 【アレーナ(闘牛場)】 で戦う様は、実際に見たことがなくとも、TVなどでご存知でしょう・・・などと偉そうなことを書いていますが、私も実際には見たことがありません。見たことがある人によると、闘牛士たち(実際に赤い布をヒラヒラさせているマタドールだけでなく、モリや槍を打ち込む役割の人たちもいるらしいので)を格好良いと見るか、痛めつけられる牛が可愛そうとみるか、それによって印象が変わるそうで。
 闘牛自体の歴史は古代ギリシャ・ローマ時代にまでさかのぼる。8世紀初頭にアフリカ北西部に居を構えていたムーア人たちがスペインに侵入した際にヨーロッパへ伝えたとか。スペインの闘牛はいつも行われているというわけではなく、春の復活祭から11月までの毎日曜日。
 「スペインの闘牛」? スペイン以外でも闘牛って行われているの?
実際、スペインの闘牛のイメージでポルトガルの闘牛を見ると違和感を覚えるとか。ポルトガルでは牛を殺さないらしいのです。


サングレ・デ・トロ

Sangre de Toro 【サングレ・デ・トロ】


 スペインの Torres 【トーレス】 社の赤ワインです。
 名前の意味は「闘牛の血」。その名の通り、濃厚で力強いワインです。ただし、悪く言えば、繊細さのカケラもない実に大雑把な味。初心者向け。目印は、ボトルヘッドの所に付いている黒い牛のフィギュア。
 ワインは気取って飲むもの、優雅に飲むもの、たくさんの知識が必要だ、などというクダラナイ偏見を持っているために、ワインを一度も口にしたことがない人。あるいは、ただ単にポリフェノールが豊富で健康に良いからなどというツマラナイ理由で渋々飲んでいる人。あるいは知ったかぶりで飲んでいるけど、本当はいまだにワインの味が分からないんだけど、それを言うのが恥ずかしいなぁ、と思っている人。そんな人たちに一度飲んでもらいたい一品。
 良い点は、安くて、かつ簡単に手に入ること。しかもこの濃厚さは、力強いスペイン料理に実によく合うので、油っこい料理や肉料理をガッツリ食べる人にお勧め。


 ワインも最上を求めるとキリがないのですが、安くて(と言っても安いと感じるかどうかは人それぞれですが)も素晴らしいワインがあって、一方で名前は知られているのにクダラナイワインもたくさんある。とりあえず今回は赤ワインの初歩の初歩。というわけで、次回は白ワインの初歩の初歩で。
 と言いつつ、第3回目でいきなりレベルアップしてしまう可能性もある・・・。


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Cocktail - 第4回 美少年

Posted by 倖成卓志 on 26.2006 悠久のカクテル 0 comments 0 trackback
 近頃、「イケメン」が流行している。どうも気に食わない。別にひがんでいるわけではない、決してない。
 男色の趣味はカケラもないが、神話や小説などに登場する美少年には惹かれるものがある。本人が意識していないせいもあるだろうか(たまに意識的にそれを利用して自業自得となる話もあるが)。
 私がイケメンと呼ばれる連中を気に入らないのはこの辺りかも知れない。イケメンは自分の美貌(?)を武器にしている感がある。天性の力を利用してはいけないとは言わないが、少なくともTVに出てくる連中は驕り高ぶりが見えすぎる。それはさておき。
 美少年の物語は大抵の場合、ハッピーエンドとはならない。悲話が伴う。だから女性だけでなく、男性も惹かれるのかも知れない。
 ギリシア神話に Adonis 【アドニス】 という美少年が登場する。フェニキアの王・キニュラスとその娘・ミュラの子。彼を愛したのは有閑マダム・・・ではなく、冥界の女王・ペルセポネと美の女神・アフロディテ。ところがこのアドニス、狩りに熱心で女神たちのことには気付かない。
 あー、もったいないと思った人は手を挙げて。
 話を戻そう。ペルセポネとアフロディテは結局裁判で、1年の3分の1ずつをアドニスと暮らす権利を得た。残りの3分の1はアドニスの自由とした(アドニスは翻弄されているだけである。ギリシア神話の神様たちは身勝手である)。ところがアフロディテだって女の子(?)、好きな男の子とはずーっと一緒にいたい。裁判なんて関係ない。理屈なんて関係ない。だって好きなんだもん 。これにブチ切れたペルセポネ、アフロディテの愛人だったアレスをそそのかした。「アフロディテってば近頃、人間の男の子にご執心ですわよ」。アレスもまたブチ切れて、凶暴な猪にアドニスを襲わせ、殺してしまった。
 この時、アドニスの身体から流れ出た血から咲いた花は、風に吹かれれば散ってしまいそうな可憐な様子から アネモネ【風の花】 と名づけられたという。
 そしてアフロディテは泣き崩れ(これでアフロディテがブチ切れてペルセポネに復讐を誓ったりしたら昼ドラなんだけど、さすがにそうはならない)、ゼウスに「アドニスを暗い冥界に置くのはかわいそう。せめて夏の間は私の傍において欲しい」と願ったので、アネモネは夏に咲くのだという。

カクテル・赤色

Adonis
基酒:Sherry 【シェリー】
技法:ステア
度数:16度
レシピ
Dry - Sherry 【シェリー】 2/3
Sweet - Vermoute 【スィート・ヴェルモット】 1/3
Orange - bitters 【レモン・ジュース】 1dash.

 Sherry 【シェリー】 は、これの説明だけで1章取れるほどですが、簡単に。スペイン・アンダルシア地方の南西にあるヘレスという町とその周辺のみで作られる酒精強化ワインのこと。普通に作ったワインに、そのワインに使った葡萄を使って作ったブランデーを混ぜて酒精を強化したもののことです。日本では Fino 【フィノ】 や Oloroso 【オロロソ】 などのタイプが有名で、ちょっとした Bar 【バル】 (スペイン風居酒屋)形態の店なら置いてあると思います。
 前回にも出た、Vermoute 【ヴェルモット】 も簡単に説明を。
Vermoute というのは西洋の薬草酒のことです。これはアロマタイズド・ワインとも呼ばれるのですが、簡単に言えば、ワインに薬草エキスを混ぜ込んだものです。
 Vermoute と呼ばれるものは大きく、ドライとスィートに分かれます。ドライが辛口、スィートが甘口。
 で、有名なメーカーとしてはイタリアの Cinzano 【チンザノ】 、同じくイタリアの Martini 【マルチニ】 、そしてフランスの Noilly Prat【ノイリー・プラット】。他には Carpano 【カルパノ】 とか Lillet 【リレ】 などもありますが、量販店ではなかなか手に入らないでしょう。


 で、ここからがカクテルの不思議。
 Sweet - Vermoute 【スィート・ヴェルモット】 を、Dry - Vermoute 【ドライ・ベルモット】に変えてみます。

カクテル・茶色

Bamboo
基酒:Sherry 【シェリー】
技法:ステア
度数:16度
レシピ
Dry - Sherry 【シェリー】 2/3
Dry - Vermoute 【ドライ・ヴェルモット】 1/3
Orange - bitters 【レモン・ジュース】 1dash.

 Bamboo 【バンブー】 とは竹のことです。なぜ竹なのか。実は1889年に横浜のホテル・ニューグラウンドの前身、横浜グランドホテルが創業したとき、チーフ・バーテンダーだったルイス=エビンガーが考案したとされています。彼には竹が日本の象徴に映ったのでしょうね。
 ちなみに別名は Amour 【アモール】 。意味は「愛」・・・となると、 Adonis 【アドニス】 と無関係ではなくなって、ちょいと面白いとは思いませんか?



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ポジティブリスト制度 VS 禁酒法

Posted by 倖成卓志 on 09.2006 言いたい放題 0 comments 1 trackback
ポジティブリスト制度(農薬等が残留する食品の販売等を原則禁止する制度)
 2006年5月までに導入されるというこの法律。前文や条文を眺めていると頭が痛くなりそうなので、簡単に言えば、
「農薬等の残留基準を設定し、これが定められていない農薬等を一定量以上含む農作物等の流通を原則として禁止する制度」ということです。
 もっと簡単に言えば「農薬が残留していそうな作物はダメ」ということ。一見すると結構な法律ですが、これを聞いて禁酒法を思い出してしまいました。


禁酒法(ボルステッド法)
 アメリカの法律。1919年1月16日成立、1920年1月17日施行。アメリカ合衆国及びその管轄下に置かれたすべての地域において、アルコール飲料を目的として製造、販売、運搬をすること、また国内はもとより外国への搬出並びに外国からの搬入は、ここにすべて禁止される。簡単に言えば、酒類の製造・販売・運搬等を禁止するということです。
 勘違いしている人も大勢いらっしゃると思います。
 飲酒は禁止していません。酒を造ること、売ること、運ぶことはダメです。
 変ですよね?
 酒の害を抑制するなら「飲酒」も禁止されるべきですよね? もちろん最初は「酒類の所有」も(ニュアンスとして飲酒も)禁止していました。何故なら、当初の目的について大雑把に言えば、「酒は害が多い。罪を平気で犯すようになる。酒は神の教えに反する。だから止めるべきだ」というものでした。が、さすがに反対派議員が多かったので所有は許可したわけです。なぜ反対派が多かったの? それは後の話で。


 読んでるだけでは疲れるので、ちょっと考えてみましょう。
 Q.作っちゃダメ、売っちゃダメ(当然買ってもダメ)、運んだりしてもダメ、でも飲んでも良い。飲みたい。どうすれば良いのでしょうか?

 A.持っておけばいい。
 振り返ってみましょう。成立から施行まで1年の猶予期間がありますね。この間に買ってしまえばいいわけです。実際、そうなりました。当然、お金持ちはたくさん買い込むわけで、一般庶民ではそうはいかない。そして法が施行されるのです。

 金持ちいいですよね、溜め込んだお酒を飲めばいいのですから(実はこれこそが反対派が多かった理由なのです。議員は金持ちの票や資金が欲しいので、優遇するわけです。この実情は現在のアメリカでも変わりありません)。
 でも、いくらプロテスタントの国とはいえ、まったくお酒を飲まないなんて無理難題です。そこでこっそりと酒が造られるわけです。密造酒です。当然、品質は最低です。まともな器具を使うことが出来ないのですから。
 Bronx 【ブロンクス】 (第1回)は、この過程で作られたわけです。



 無理その1.取り締まりが不十分
 禁酒法に違反した人間を取り締まる執行官と、警察とは別組織。防犯組織のプロである警察との連携も取らず、執行官の数も少なくて、取締りが不十分だったのです。しかも執行官は賄賂に弱く、あっさり買収されたため、さらに取り締まりは不十分になったのです。
 なぜ賄賂に弱かったの? それは人数が少ないうえに、待遇が非常に悪かったからだとされています。


 無理その2.カナダはOK
 酒の輸入を禁止していましたが、何故かカナダからの陸路搬入はOKでした。第1回で、「ヴェルモットは手に入ったのか?」と書きましたが、入り込む経路はあったわけです。おかげでカナダの酒業者は大儲けをしたようです。


 無理その3.違法組織の跋扈
 簡単にいえばマフィア。彼らは法律を無視するわけです。酒はを飲みたい人は大勢いるのに、法律では禁止。となれば、マフィアたちの活躍の場が増えるわけです。密造酒を作って、売って、そのお金は全部マフィアの懐に。この時活躍(?)したマフィアのボス・アル=カポネは「俺はみんなの求めるものを供給しただけだ」と嘯いたようですが、言いえて妙です。(ちなみにアル=カポネが逮捕された理由は脱税です)


 無理その4.世界恐慌
 禁酒法が施行されているということは、当然、酒税はないわけです。酒税となるはずのお金もみんな、マフィアの懐へ行っちゃいました。そこに世界恐慌です。禁酒法への不満で国内がガタガタになっているうえに、多額の税収が期待できるはずの酒税が皆無。


 無理その5.不健全
 そもそも、ピューリタンの概念からすれば、酒で酔って快楽を得るなんてもってのほか、さらに酒乱になったり喧嘩したりするなんてとんでもない話。不健全な酒場なんて悪魔の所業。ところが、禁酒法でこれらが一掃されるかと思いきや、ますます増大しちゃったものだから、手に負えない。
 当初、禁酒法に賛成していたロックフェラーも、禁酒(というか節酒というか)によって社会の健全化が図られると思っていたからこそ賛成したのであって、社会がかえって不健全化すると反対化に回らざるを得ず、「これがアメリカの実情か」と嘆いてしまったそうです。


 話は2006年まで飛びます。
 ポジティブリスト制度では、農薬の残留を調べるわけです。ところがウィスキーはまず最低でも10年、長いものでは30年も寝かせるわけです。(「ジョージア・ムーン」という、30日しか寝かせないコーン・ウィスキーなんて例外は置いといて)
 10年前ならかろうじて、でも30年も前の大麦やライ麦にどんな農薬を使って、どれだけ残っていたかなんて調べることなんて無理難題。しかも蒸留所がすでに閉鎖されているような幻の酒となると、もう不可能でしょう。
 ワインも同様です。白はほとんど寝かせないにしても、赤ではやはり何年、十数年と寝かせているものもあるので、当時の葡萄をどう調べろと? ブランデーも当然ダメとなりますね(ワインを蒸留させたものなのですから)。
 日本酒は寝かせませんよね?(沖縄古酒は例外ですが)
 ですから、これってもしかして「禁洋酒法」?

 ・・・施行する側は、これによる弊害なんて考えていないのか、弊害なんて起こるはずがないと高をくくっているのか・・・。
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 いざ、霊薬【エリクシル】を求めて・・・

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