数年前のこと。とあるバーにて。

 私はカクテル・グラスを手にしていました。その隣で、メーカーズ・マーク(バーボンの銘柄)を水割りで呷っていた初老の某氏が、こう口火を切ってきました。
「ジンの違いってのが、よく分からんのだなあ。ビーフィーターとタンカレーは、これは違うような気がするって程度で、俺にはよく分からん」
「ジンではビーフィーターと、ゴードンと、タンカレーが有名ですけど、マティーニで多少飲み比べが出来るぐらいでしょうね。ジンだけで飲まされたら、あまり分からないかも」
「ドギツいねえ、ジンってやつは」
「アルコール度数でいうと、ビールは5度ぐらいですけど、ドライ・ジンは40度ですからね。このカクテルもジンがベースになってるんですけど、30度近いです」
「そんなのよく飲めるねえ」
「ドギツいカクテルが好きなのです(笑)」

 この頃はまだ、ジンだけで飲み比べようとは思っていなかったので、私もこのように回答をしていたように思えます。

 もしも今、かの某氏が目の前に現れ、私がバック・バーから取り出してもらうとすれば、このお酒になるでしょう。
 それでも飲んでみますか?

LemonHart151(bottle)

LEMON HART DEMERARA 151
【レモン・ハート デメララ 151】