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Spirits その2 - BOMBAY SAPPIRE 【ボンベイ・サファイア】

Posted by 倖成卓志 on 01.2006 雄渾のスピリッツ 4 comments 2 trackback
BOMBAY SAPPIRE 【ボンベイ・サファイア】

BOMBAY SAPPIRE


 製造元は、THE BOMBAY SPIRITS COMPANY。1761年以来のオリジナル・レシピに基づいて作られているジンですが、実際に女性の肖像画が描かれたおなじみのラベルが貼られてアメリカに販売されたのは1950年代のこと。それまでは、少なくとも諸外国にはその存在をほとんど知られていなかった幻の酒だったようです。
 とにかく、普通じゃない。

 使われている蒸留機は「カータヘッド・スティル蒸留機」というもので、これは世界に4基しかない。
 植物の種子、実、根などのことをまとめて「Botanical 【ボタニカル】」と言いますが(「植物の」という意味です。余談ですが植物園は英語でBotanical Garden 【ボタニカル・ガーデン】 といいます)、普通の蒸留酒は穀物で作った中性スピリッツに数種類のボタニカルを浸して成分を抽出させます。
 しかしボンベイ・サファイアの場合、まず、10種類の珍しい植物を銅製のバスケットに入れます。そこへ、すでに蒸留を三回繰り返した中性スピリッツを加熱させ、気化させたものを通します。植物の葉に湯気を通すと香りが立つのが分かりますか? こうしてボタニカルの成分を湯気で抽出して絡め取る独特の技術は「ヴェーパー・インフュージョン製法」と呼ばれています。
 植物を普通に浸した場合、浸す時間が長すぎると雑味・苦味が混じることがあります。茶葉を浸しすぎるとお茶が異常に苦くなったり、ハーブ・ティーでもティー・バッグをカップの中に放置しすぎて香りがおかしくなった経験をお持ちの方もおられるでしょう。上記の製法はこの欠点を回避するために行われているのです。

 で、面白いのが、「10種類の珍しい植物」が秘密でもなんでもないこと。なにせ、ボトルの左右に絵と共に文字が刻み込まれていますから。向かって右の上から順に、
 Almonds From Spain 【スペイン産アーモンド】
 Lemon Peel From Spain 【スペイン産レモン果皮】
 Liquorice From China 【中国産リコリス】
 Juniper Berries From Italy 【イタリア産ジュニパー・ベリー】
 Orris (Iris Root) From Italy 【イタリア産オリス(根)】

で、左に移って上から、
 Angelica (Root) From Saxony 【ザクセン産アンジェリカ(根)】
 Coriander (Seeds) From Morocco 【モロッコ産コリアンダー(種)】
 Cassia Bark From Indo-China 【インドシナ産カシア樹皮】
 Cubeb Berries From Java 【ジャワ産クベバ・ベリー】
 Grains Of Paradise From West-Africa 【西アフリカ産グレインズ・オブ・パラダイス】


 よくまあ、いろんな国からいろんな植物を集めましたねぇ。しかも感心すべきは、これが現在ならまだしも、「1761年以来のオリジナル・レシピ」ということ。
 分かりますか?
 ライト兄弟が動力飛行に成功したのは1903年です。つまり、船はあっても飛行機はまだありません。大航海時代に比べれば航海技術も発達しているとはいえ、世界中を自由自在に渡り歩くのは大変。子午線が決められたのが1884年。キャプテン・クックは18世紀の人、といえば、これだけの植物を集めるのがどれだけ大変か!

 さて、ボンベイ・サファイア。ボタニカルから成分を絡めとったスピリッツはまだ、度数が並外れて高い原液の状態です。これにヴェルヌイ湖の水で加水し、ようやく「BOMBAY SAPPIRE 【ボンベイ・サファイア・ジン】」の出来上がりというわけです。


 10種類の珍しい植物のおかげで、ジンの中でも複雑な香味を放つボンベイ・サファイア。たしかに何十種類ものモルトを使うブレンデッド・ウィスキーや、場合によっては100種類近い薬草・香草を使うリキュールに比べれば、その成分は少ないように思われるかも知れません。
 が、
 複雑な香味とはいえ、それが見事なまでに一体化しているお酒というのはそうそうありません。「スピリッツのストレートは強すぎて・・・」と敬遠してしまう人でも、ボンベイ・サファイアのストレートなら飲めるという人がいますが、かくありなん。
 私自身、今まで飲んだGin 【ジン】 の中では最も好きな一品です。
(「今まで」ってことは、つまり飲んだことのないGin 【ジン】もあって、それをいつか飲んでみたいという意味でもあるんですが・・・なんでこんな酒好きになってしまったんだろーか?(←自分で言ってりゃ世話ないか))


 困った。

 ボンベイ・サファイアを指定しているカクテルってあんまりないんですよ。
 Spirits その1 - GORDON'S のコメントで神保さんとのやりとりで書いたように、「GORDON'S」はかつて「ドライ志向全盛期」のアメリカで、「Gin 【ジン】」でも特に「GORDON'S」を指定している場合が多かったのです。でもボンベイ・サファイアは比較的新しいジンであるせいなのか、あるいは複雑な香味がカクテルで損なわれるのを怖れているのか、なかなか指定銘柄になっているのを見かけません。
 あるにはあるのですが・・・

Absinthe - Minded - Martini
  【アブサントゥ・マインデッド・マティーニ】

基酒:Gin 【ジン】
技法:ステア
度数:37度
グラス:カクテル・グラス
レシピ
[Bombay Sapphire] Gin 【[ボンベイ・サファイア] ジン】 3oz.
Dry - Vermoute 【ドライ・ヴェルモット】 1/2oz.
[Mari Mayans] Absinthe 【[マリ・マィァン] アブサントゥ】 1/2oz.
Grand Marnier 【グラン・マルニエ】 1/2oz.

 まずミキシング・グラスでジンとアブサントゥをステア。これをカクテル・グラスへ注いだら、ヴェルモットを入れて軽く混ぜたら、グラン・マルニエをフロートさせ、オレンジの皮でピールしたら出来上がり・・・って、面倒きわまりない。メモはしてあるけどいちいち覚えてなくて、作ったこともない。しかも名前が「アブサンのような気がするマティーニ」って何なんだ、それは?!
 
 もう少しマトモなのはあるにはあるのですが、ボンベイ・サファイアを使う意義が見出せないわけで・・・。たとえば、

Bombay - Cosmo 【ボンベイ・コスモ】
基酒:Gin 【ジン】
技法:シェーク
度数:24度
グラス:カクテル・グラス
レシピ
[Bombay Sapphire] Gin 【[ボンベイ・サファイア] ジン】 2oz.
Cointreau 【コワントロー】 1/2oz.
Cranberry - Juice 【クランベリー・ジュース】 2oz.
Lime - Juice 【ライム・ジュース】 1tsp.


 これのオリジナルは・・・

Cosmo 【コスモ】
基酒:Vodka 【ウオツカ】
技法:シェーク
度数:20度
グラス:カクテル・グラス
レシピ
Vodka 【ウオツカ】 2/3oz.
Cointreau 【コワントロー】 3/4oz.
Cranberry - Juice 【クランベリー・ジュース】 3/4oz.
Lime - Juice 【ライム・ジュース】 1tsp.


 うーん・・・。
 「Cosmo 【コスモ】 (「宇宙」という意味)」は酸味、甘味、果実香などの微妙なバランスで、そこそこの人気を博している。それにあやかっているのかも知れないが、無味無臭に近いウオツカ、あるいは甘みの強いラムならまだ良いかも知れないのだけれど、香り豊かでしかもボンベイ・サファイアを使う意味があるのだろーか?(などと厳しい意見)

 蒸留酒の中で、ストレートで飲む場合においては最高に旨いと思っている(あくまで「今のところは」ですよ)。
 カクテルの材料にするのは難しいなぁ・・・。



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お、ボンベイ・サファイアが出ましたか!
僕も自分のブログで紹介せにゃならんと思いつつ、先送りにしてるジンですよ。
でも、こんなに詳細な記事を読むと、『あー、僕が書かなくてもいいかー』って気にもなりますがね(苦笑)

カクテルですけど、サファイアは他のドライジンと一緒に考えるのがよろしくないのでは?
香りを活かしてカナダドライの辛味ジンジャーエールを使ったジン・バックなんかは相性がよかったような気がします。

でも、サファイアはストレートが一番なのかもしれませんけど。僕も香りが飛ぶので、サファイアはフリージングしないんですよ。
2006.09.02 01:22 | URL | 神保銀郎 #- [edit]
 なるほど、Gin Buck 【ジン・バック】 ですか。余計なことを考えすぎて原点を忘れていました。

 蒸留酒の基本は冷凍庫保管なんですけど、確かに日数を置くと香りが飛んじゃいますね。特にボンベイは冷暗所、あるいは冷凍庫の冷気設定を「弱」にするのがいいのかな、と(メーカーやサイズによって温度の違いはありますが、我が家の冷凍庫で「中」にしたら気のせいか風味が少し変わったように思いました。でも「弱」に戻したら風味も戻ったような気が。まあ、飲むまでのタイミングや、温度変化も関係しているのでしょうけど)。
 
 いずれにせよ、飲まず嫌いの人にも是非勧めたい一品ですね。
2006.09.02 18:36 | URL | 倖成 #iqhSIKS2 [edit]
私も待ち望んでました。
自分のBlogにも紹介はしましたが倖成さんの記事と比べると…見れないですね(笑)

ボンベイサファイアは私もジンの中では一番好きです。
Blogのコメントをくれる方でジンが嫌いという方がいらっしゃいましたが、ボンベイサファイアを教えたら「このジンは好き」と言って喜んでくれました。

私の友達も同じでした。

このジン、不思議な魔力がありますよね。
なので温存しながら飲んでます(笑)

記事にもあるようにカクテルには非常に合わせにくいジンですね。
これを初めて飲んだとき、この独特な味を往かせるカクテルを作れるのか?とそう思いましたから。
そんなわけでずっと今までロックで飲んでます。
2006.09.05 21:51 | URL | まっぴ~ #lavUoL4U [edit]
 やはりというか、凄く人気のあるジンですね。
 記事はいつも、調べることは調べ、なにか関連情報はなかったかを思い出しながら何度も書き直したり、情報を加えたりしているので、しつこいくらいに長くなっちゃいますね(苦笑)。ただ、本などからの受け売りで、丸写ししただけの論文調は嫌いなので、できるだけ感想や疑問に思ったこと、時代や土地の背景を織り交ぜるようにしています(お願い、最後まで読んでネ、という意思表示)。

 私はストレートです。奇しくも本日、1本空きました。1瓶が半月しか持たないってのは、かなりハードで危険な飲み方だとは思うのですが、ハマったんだから仕方ない?
2006.09.06 20:56 | URL | 倖成 #iqhSIKS2 [edit]


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2007.07.21 23:30 サファイアのレビュー
これは店長の推奨品のオレンジサファイアのネックレスです。店長がまたまた推奨品を紹介したいと思います。だからこのネックレスもお気に入りの一品なのです。オレンジ色はお肌を綺麗に可愛く見せてくれます。特にこのオレンジサファイアの色は落ち着いた色をして形もアンテ

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