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Spirits その4 - 都会のラム

Posted by 倖成卓志 on 21.2006 雄渾のスピリッツ 2 comments 1 trackback
 件の酒屋さんでうろついているうちに、以前から手に入れたかった酒や、あるいは見たこともない酒を購入して、図書館などで調べたりするのですが、購入前から書き込みが始まるのは初めての経験。ひと夏の思い出ってやつですね(←絶対違うと思ふ)。
(他人からは意外と言われるのですが、私は「名酒辞典」とか「洋酒辞典」の類を持ってません。今までに読んだ本の内容を思い出したり、覚書を見たり、図書館で調べたりしてるんですが、こういうブログを書いている以上、そろそろ購入しないとマズいなぁ・・・)

 前回、
『昔は荒々しく粗野な船乗りたちが飲む、香りも味もキツい、「荒くれ男」の酒というイメージでした。しかし現在ではむしろ、都会の人間たちが飲む、まろやかで甘く、思わずはしゃぎたくなるような陽気なお酒に変わりました(その一因を担ったラムが2種類ほどあるのですが(・・・以下略)』
 と書きました。直接の原因ではないのですが、少なくとも都会の人たちをターゲットにしたラムを築き上げ、イメージを変えたのはこの2種類ではないか、と私なりに考えているそのひとつが、

バカルディ(ホワイト)


BACARDI
【バカルディ】


 ラベルに描かれたこうもりのマークが特徴です。
 創業者はドン=ファクンド=バカルディ。彼はスペイン・カタロニア地方に住んでいた人です。1830年にキューバのサンチァゴに渡ると、ワインの輸入業を手がけ、同時にラムの研究も始めています。当時のラムはとにかく荒削りで、コクがありすぎてクドくて、慣れないと飲めないような代物だったようで。そのうち、チャコール・フィルターを使って濾過し、古いオーク樽を使うことも思いついて、1862年2月4日、ついに中古の蒸溜所を買収、製造に乗り切るわけです。移住から32年目のこと。この蒸留所の近くに大こうもりの群生地があり、「こうもりは幸せの証」という言い伝えにも則って、シンボル・マークに採用したようです。キューバ革命の煽りを受けて国外へ出てしまい、現在は英国領バミューダ・ハミルトン市で活動しています。


 同じくキューバから始まったラム、Havana Club 【ハヴァナ・クラブ】、プエルトリコのRONRICO 【ロンリコ】も、定番のラムとしてよく知られていますし、量販店でもよく見かけますね。

 -  ☆  -  ☆  -  ☆  -  ☆  -  ☆  -

 バカルディを挙げて、この2つを余談として書いたなら、私が次に何を挙げてくるか、気付いた方もいらっしゃいますね?


LEMON HART 【レモン・ハート】

 18世紀初頭、イギリス・コーンウェル地方で西インド諸島との交易を行っていたハート家。レモン=ハートは莫大な利益を得ると同時に、多大な信用を受けて、イギリス海軍へのラム納入業者第1号となったのが1780年のこと。それから1804年にロンドンへ会社を移し、自らの姓名『Lemon Hart』の名前を冠したラムを販売するようになったのです。

 余談ですが、行きつけの店でどうやら『BARレモン・ハート』というお酒に関する漫画の愛読者が多いようで、「レモン・ハートってどういう意味か知ってる?」と聞かれたことがあります。「ラムの名前らしいんだけど、『レモン』はともかく、『ハート』って『心』って意味じゃないんだよね? どういうことだろう」と聞かれましたが、上に書いたように創業者の名前です(関係ありませんが「hart」は「大人の雄の赤鹿」の意味もあります)。

 話を戻しましょう。
 LEMON HART といえば、『DEMERARA 151』が思い浮かぶかも知れません。
 「デメララ」とは、旧イギリス領・ガイアナにある、DEMERARA【デメララ】川のことです。この川沿いにある蒸留所で作られているのが、いわゆるDEMERARA RUM 【デメララ・ラム】です。この辺りで作られたラムの原酒を本国へ運び、加工しているラム会社は、銘柄の後ろに「DEMERARA RUM」の名前を付けます。なので、デメララ・ラムはラム会社の数だけあるといっても過言ではありません。
 さらに面倒なのは、ブランド名としてのDEMERARA RUM 【デメララ・ラム】というものがあります。イタリアのSamaroli 【サマローリ】社のものです。ところが、スコッチの瓶詰業者Gordon & Macphail 【ゴードン&マックファイル】社がDEMERARA RUM(1974)、イタリアの瓶詰業者Moon Import 【モーン・インポート】社がDEMERARA RUM(1994)というのを販売してます。
 なので、酒屋さんやバーで単に「デメララ・ラム下さい」なんて言っても、困った顔をされちゃかも知れませんね、要注意。
 また話が横にそれちゃいましたが、
 この場合の151とは『151proof』、つまり151プルーフ(75.5度)という意味です。なのでかなり、というかとんでもないほどに強いお酒です。
 さらに余談。『proof』は度数の単位で、アメリカでは1プルーフ=0.5度、イギリスでは1プルーフ=0.75度です(ただし一部では混同しているものもあります)。なぜ「proof(証明)」なのかというと、昔は密造酒や、混ぜ物の多い酒、偽ブランドのお酒などが多かったのです。そこで、これは確かに我が社で作った正しいお酒ですよ、証明しますよという意味で付けられたのが始まりと言われています。

 実は”狙っている”と予告していたのはこちら、レモン・ハートです。ただいろんな都合が絡み合ってしまい、件の酒屋さんに行く機会が再来週まで延期。せっかく書いた下書きを捨てるのも勿体無いので、泣く泣く、バカルディを選んでみました。
(とはいえ、バカルディもなかなか大したラムなんですよ)

 -  ☆  -  ☆  -  ☆  -  ☆  -  ☆  -

 さて、バカルディとレモン・ハートの共通点は、

☆強いだけの飲みづらいラムに不満を抱いて、コクがありながらも飲みやすいお酒に仕上げること。

 特に、レモンハート・ホワイトラムは、「カクテルとの相性は最高」などと紹介されている書籍などもありましたが、実は「カクテルのために作られたラム」ということです。
 カクテル『BRONX 【ブロンクス】』はマズくてクサい密造ジンを何とか飲めるようにと作られた代物です。このことから「カクテルは、ろくに飲めない二流の酒を、何とか飲めるようにした手法」という誤った認識がまかり通っているのも事実です(Kir 【キール】もその一例です)。
 しかし、バカルディやレモン・ハートは逆に「カクテルの基酒(ベース)としても楽しめるラム」を作り上げてきました。レモン・ハートのホワイト・ラムはそれを意識して、わざと色を付けていないという話も聞きました。ただ飲んで酔っ払うことができれば何でもいいというわけじゃない。「お酒を飲む空間の楽しみ」という発想があるのでしょう。
 だから、都会的なラムというわけです。



カクテル・白色

Daiquiri 【ダイキリ】
基酒:Rum 【ラム】
技法:シェーク
度数:24度
グラス:カクテル・グラス
レシピ
Rum 【ラム [ホワイト]】 3/4
Lime - Juice 【ライム・ジュース】 1/4
砂糖 1tsp.

 キューバ・サンチァゴ郊外にあるダイキリ鉱山の名前を冠したカクテル。定番中の定番。これが発生した説はたくさんあるのですが(自然発生説というのもありますが)、ひとつだけ挙げましょうか。
 当時のラムは非常に荒っぽくて飲みづらかった(このフレーズ、何度も出てきてますが事実なので仕方ない)。炎天下、汗だくの鉱山技師たちの暑気払いのためにと、ラムはバケツで配られていました。そんな日々が続いたある日、とある技師が「こんなマズいもんが飲めるか!」と叫びながら暴れ周り、近くにあったライムを、ラムの入ったバケツに次々に放り込んでいったのです。その技師を何とか担ぎ出した後、たくさんのライムがプカプカと浮かんでいるバケツ入りのラムを眺めていた一人の技師がそれをコップへ注ぎ、それだけではキツいと感じたのか砂糖を混ぜてから口にしたところ、「なかなかいけるじゃないか!?」ということで広まったとされています。

 -  ☆  -  ☆  -  ☆  -  ☆  -  ☆  -

カクテル・赤色

Bacardi 【バカルディ】
基酒:Rum 【ラム】
技法:シェーク
度数:24度
グラス:カクテル・グラス
レシピ
[BACARDI White] Rum 【[バカルディ・ホワイト] ラム】 3/4
Lime - Juice 【ライム・ジュース】 1/4
Syrop de Grenadin 【グレナディン・シロップ】 1tsp.

 バカルディ社が、自社のラムを広めるために作り出したカクテル。砂糖がグレナディン・シロップに代わっただけの代物です。
 あるとき、バーでこのバカルディ・カクテルを頼んだ客が、「これはバカルディ・ラムを使っていない。インチキだ!」と叫んで裁判沙汰となり、結果としてニューヨーク高等裁判所が「バカルディ・カクテルにはバカルディ・ラムを使わなければならない」という判決を下したというエピソードがあります。なので、バカルディ以外のラムを使用した場合は、Pink - Daiquili 【ピンク・ダイキリ】 という名前を使います。なので、バーでメニューにはないけれど「バカルディ・カクテルを下さい」と言って「ピンク・ダイキリでよろしいですか?」と聞き返されたとしても、それはイジワルで言ってるわけではありません。バカルディ・ラムがないので勘弁して下さい、という意味です(カクテルを出すバーなら置いとけ、って感じもしますが、モルト・バーやワイン・バーならスピリッツは網羅しきれないという事情もありますからね)。

 -  ☆  -  ☆  -  ☆  -  ☆  -  ☆  -

レモネード

Piña - Colada 【ピニャ・コラーダ】
基酒:Rum 【ラム】
技法:シェーク
度数:8度
グラス:ゴブレット
レシピ
Rum (Right) 【ラム(ライト)】 30ml
Pineapple - Juice 【パイナップル・ジュース】 80ml
Coconut - Milk 【ココナッツ・ミルク】 30ml

 スペイン語で「パイナップル畑」、または「パイナップルの生い茂る峠」という意味。カリブ海で生まれたもので、やがてフロリダ州マイアミで流行し、ニューヨークで大人気を博した一品。上記は別写真の流用ですが、実際にはゴブレットにクラッシュド・アイスを詰め込んだところに、シェークした材料を注ぎ、季節の花や果物を刺し、ストローを2本差して作り上げるトロピカル・ドリンクです。
 トロピカル・ドリンクはお店によって飾りつけが違うのはもちろん、オリジナルの配合にしてある場合も多々あるので、余裕があれば、トロピカル・ドリンクを目玉としてるバーを渡り歩いて、飲み比べてみるのも面白いでしょう。

 -  ☆  -  ☆  -  ☆  -  ☆  -  ☆  -

カクテル・ピンク色

September - Morn 【セプテンバー・モーン】
基酒:Rum 【ラム】
技法:シェーク
度数:26度
グラス:カクテル・グラス
レシピ
Rum 【ラム】 4/5
Lime - Juice 【ライム・ジュース】 1/5
Syrop de Grenadin 【グレナディン・シロップ】 1tsp.
卵白 1個分

 せっかくの9月なので、「9月の朝焼け」という意味のカクテルを。夏の暑い日差しから開放されて、冬に入るまでの穏やかな季節の少し涼しげな朝。そして、夏のように激しい熱情ではなく、静かに穏やかに沸き起こる恋愛感をも表したカクテルです。レシピ上の見た目よりも酒精は鋭くなく、酸味を感じつつもかすかに甘く、ほのかに淡い味わいですね。



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あはぁ、こんな感じでラムが出てきたんですね。
僕はラムについてはほとんど知らないので、知識増えましたわー。
ダイキリ、バカルディ、ピニャカラーダと知ってるカクテルがあるので、なんとかついていけましたけど、あはは(苦笑)
僕なんかは今回の記事を読むまで、プルーフの意味すら知りませんでしたからねぇ。
もちろん、お酒を楽しむのに知識先行じゃ頭デッカチになりそうですけど。

にしても・・・ラムは深いんでしょうね。
ジンもそうだと思うんですが、愛好者が少ない分だけ、余計に愛着が強くなるというか。きっとそういうのがあるんじゃないかと思っています。
ブログでもラム愛好者のページとかあったら、読んでみたいですよ。
2006.09.24 21:28 | URL | 神保銀郎 #- [edit]
 イメージって、どうなんでしょうね?
 「ラムが好き」って言って、お酒にそんなに詳しくない人はどういう反応をするか・・・あまり考えたことがありませんでしたね。 
 「ジンが好き」って言うと、何となく「酒に強そうな人」「キツいお酒が好きな人」「ハードボイルド(古いかな?)」って感じでしょうか。テキーラだと、ショット・ガンのイメージからか「ストレートで一気に呷る」「何杯もガンガン飲み続ける」。ウオツカは「ロシア人が寒さしのぎに飲む」「凍らない。度数がメチャクチャ高そう」ってとこでしょうか?

 コナン・ドイルの「ホームズ」シリーズや、スティーブンソンの『宝島』を読んでいる人なら、「ラムは海賊(または海の男たち)の飲み物」ってイメージで、クドくてドギツイという印象があるのでしょう。何しろ、『宝島』でのラムはほとんど麻薬に近い扱いですからね。ラムを呷ったときのシルヴァー船長の異常さから「怖い」ってイメージを植えつけられてしまうかも。でも、そういうのを知らないと・・・どうなんでしょうね? やっぱり分かりません。

 「評価ボタン」を配布していただいている「ブログ・ルポ」さんでも、アルコールの分類の中で、他の3種のスピリッツはまとめて一つになっているのに、何故かラムだけがワインと一緒の分類になっている。
 ひょっとして、日本人の中にラムのイメージって何もないのかしらん? って思ったりもしていて。
 「ピンガ」って言われて、咄嗟に「ああラムの仲間ですね」って答えられる人ってどのくらいいるんだろう?

 今回は「カクテル」を意識した「ホワイト・ラム」でしたが、冬あたりにダーク・ラムとかジャマイカ・ラムを購入して紹介するかも知れません。今回のとは逆の主張をしてしまいそうな予感がしています。
2006.09.25 21:59 | URL | 倖成 #iqhSIKS2 [edit]


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オーク樽で熟成させたミディアム・タイプのラムで、熟成によって生まれる豊かなコクとまろやかな味わいが魅力です。・勝負が早い・前々から考えていた日記の移行を、この夏休みに思い切ってやってみた ...・ロンリコ151・ラム 75.5度 750ml・ ロンリコ151・ロンリコ ゴ
2007.09.05 11:15 ラムへの思い

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 いざ、霊薬【エリクシル】を求めて・・・

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