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ポジティブリスト制度 VS 禁酒法

Posted by 倖成卓志 on 09.2006 言いたい放題 0 comments 1 trackback
ポジティブリスト制度(農薬等が残留する食品の販売等を原則禁止する制度)
 2006年5月までに導入されるというこの法律。前文や条文を眺めていると頭が痛くなりそうなので、簡単に言えば、
「農薬等の残留基準を設定し、これが定められていない農薬等を一定量以上含む農作物等の流通を原則として禁止する制度」ということです。
 もっと簡単に言えば「農薬が残留していそうな作物はダメ」ということ。一見すると結構な法律ですが、これを聞いて禁酒法を思い出してしまいました。


禁酒法(ボルステッド法)
 アメリカの法律。1919年1月16日成立、1920年1月17日施行。アメリカ合衆国及びその管轄下に置かれたすべての地域において、アルコール飲料を目的として製造、販売、運搬をすること、また国内はもとより外国への搬出並びに外国からの搬入は、ここにすべて禁止される。簡単に言えば、酒類の製造・販売・運搬等を禁止するということです。
 勘違いしている人も大勢いらっしゃると思います。
 飲酒は禁止していません。酒を造ること、売ること、運ぶことはダメです。
 変ですよね?
 酒の害を抑制するなら「飲酒」も禁止されるべきですよね? もちろん最初は「酒類の所有」も(ニュアンスとして飲酒も)禁止していました。何故なら、当初の目的について大雑把に言えば、「酒は害が多い。罪を平気で犯すようになる。酒は神の教えに反する。だから止めるべきだ」というものでした。が、さすがに反対派議員が多かったので所有は許可したわけです。なぜ反対派が多かったの? それは後の話で。


 読んでるだけでは疲れるので、ちょっと考えてみましょう。
 Q.作っちゃダメ、売っちゃダメ(当然買ってもダメ)、運んだりしてもダメ、でも飲んでも良い。飲みたい。どうすれば良いのでしょうか?

 A.持っておけばいい。
 振り返ってみましょう。成立から施行まで1年の猶予期間がありますね。この間に買ってしまえばいいわけです。実際、そうなりました。当然、お金持ちはたくさん買い込むわけで、一般庶民ではそうはいかない。そして法が施行されるのです。

 金持ちいいですよね、溜め込んだお酒を飲めばいいのですから(実はこれこそが反対派が多かった理由なのです。議員は金持ちの票や資金が欲しいので、優遇するわけです。この実情は現在のアメリカでも変わりありません)。
 でも、いくらプロテスタントの国とはいえ、まったくお酒を飲まないなんて無理難題です。そこでこっそりと酒が造られるわけです。密造酒です。当然、品質は最低です。まともな器具を使うことが出来ないのですから。
 Bronx 【ブロンクス】 (第1回)は、この過程で作られたわけです。



 無理その1.取り締まりが不十分
 禁酒法に違反した人間を取り締まる執行官と、警察とは別組織。防犯組織のプロである警察との連携も取らず、執行官の数も少なくて、取締りが不十分だったのです。しかも執行官は賄賂に弱く、あっさり買収されたため、さらに取り締まりは不十分になったのです。
 なぜ賄賂に弱かったの? それは人数が少ないうえに、待遇が非常に悪かったからだとされています。


 無理その2.カナダはOK
 酒の輸入を禁止していましたが、何故かカナダからの陸路搬入はOKでした。第1回で、「ヴェルモットは手に入ったのか?」と書きましたが、入り込む経路はあったわけです。おかげでカナダの酒業者は大儲けをしたようです。


 無理その3.違法組織の跋扈
 簡単にいえばマフィア。彼らは法律を無視するわけです。酒はを飲みたい人は大勢いるのに、法律では禁止。となれば、マフィアたちの活躍の場が増えるわけです。密造酒を作って、売って、そのお金は全部マフィアの懐に。この時活躍(?)したマフィアのボス・アル=カポネは「俺はみんなの求めるものを供給しただけだ」と嘯いたようですが、言いえて妙です。(ちなみにアル=カポネが逮捕された理由は脱税です)


 無理その4.世界恐慌
 禁酒法が施行されているということは、当然、酒税はないわけです。酒税となるはずのお金もみんな、マフィアの懐へ行っちゃいました。そこに世界恐慌です。禁酒法への不満で国内がガタガタになっているうえに、多額の税収が期待できるはずの酒税が皆無。


 無理その5.不健全
 そもそも、ピューリタンの概念からすれば、酒で酔って快楽を得るなんてもってのほか、さらに酒乱になったり喧嘩したりするなんてとんでもない話。不健全な酒場なんて悪魔の所業。ところが、禁酒法でこれらが一掃されるかと思いきや、ますます増大しちゃったものだから、手に負えない。
 当初、禁酒法に賛成していたロックフェラーも、禁酒(というか節酒というか)によって社会の健全化が図られると思っていたからこそ賛成したのであって、社会がかえって不健全化すると反対化に回らざるを得ず、「これがアメリカの実情か」と嘆いてしまったそうです。


 話は2006年まで飛びます。
 ポジティブリスト制度では、農薬の残留を調べるわけです。ところがウィスキーはまず最低でも10年、長いものでは30年も寝かせるわけです。(「ジョージア・ムーン」という、30日しか寝かせないコーン・ウィスキーなんて例外は置いといて)
 10年前ならかろうじて、でも30年も前の大麦やライ麦にどんな農薬を使って、どれだけ残っていたかなんて調べることなんて無理難題。しかも蒸留所がすでに閉鎖されているような幻の酒となると、もう不可能でしょう。
 ワインも同様です。白はほとんど寝かせないにしても、赤ではやはり何年、十数年と寝かせているものもあるので、当時の葡萄をどう調べろと? ブランデーも当然ダメとなりますね(ワインを蒸留させたものなのですから)。
 日本酒は寝かせませんよね?(沖縄古酒は例外ですが)
 ですから、これってもしかして「禁洋酒法」?

 ・・・施行する側は、これによる弊害なんて考えていないのか、弊害なんて起こるはずがないと高をくくっているのか・・・。
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