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Brandy - 第1回 獅子の心、奮い立たせ

Posted by 倖成卓志 on 04.2007 豊饒のブランデー 0 comments 2 trackback
 12世紀後半のイングランド、プランタジネット王朝第2代国王となった人物。中世の騎士道物語の中でも燦然と輝く存在の一人、Richard I 【リチャード1世】

 生まれたのは1157年9月8日。1189年に32歳で在位したのちは、10年後の1199年に至るまでのほとんどを戦の中で過ごしていく。フランスにあった領土を拡大することに専念し、本土であるイングランドに滞在していたのはわずか半年ほどであった。1199年4月6日没。

 勇壮にして、非常に戦闘的であった彼に冠せられたあだ名は、

獅子心王[しししんおう]Lion Hearted 【ライオン・ハーテッド】)。


 そして、このLion Heartedを、彼が長らく過ごしたフランス語では・・・

クール・ド・リヨン


CŒUR DE LION 【クール・ド・リヨン】


 はい。フランス語でそのまま、「獅子の心」という意味です。このお酒の名前が、リチャード1世にちなんで付けられたのかどうかは定かではありません。

 作り手はChristian Drouin 【クリスチャン・ドルーアン】。ノルマンディーのペイ・ドージュ地区という、カルヴァドスの3つのAOCのひとつで作り上げられる代物で、今回購入したこの一品は、ドルーアン・セレクションという特に選び抜かれた物のようです。
(AOCについては後で解説します)

クール・ド・リヨン(lab]el)



 -  ☆  -  ★  -  ☆  -  ★  -


 ブドウを発酵・醸造させることで出来る、ワイン。
 それを蒸留することで出来る、ブランデー。これを一般にBrandy【ブランデー】と呼びますが、厳密に「グレープ・ブランデー」と呼ばれることもあります。
 他の果実を使ったものは、「フルーツ・ブランデー」と別称されています。そのフルーツ・ブランデーの中でも、リンゴを使ったものはアップル・ブランデーと呼びます。アンズであれば、アプリコット・ブランデー、プラムであれば、プラム・ブランデーと呼ばれます。
 
 ここまではいいですね?
 今回はちょっと話が複雑になってくるので、あまり急がずにゆっくりとご覧下さい。

 その中でも特に、フランスのノルマンディー地方で作られるアップル・ブランデーだけに冠せられる呼称が

Calvados 【カルヴァドス】

 なのです。


 -  ☆  -  ★  -  ☆  -  ★  -

 
 フランスにはAOCと呼ばれる法律があります。原産地統制呼称法 【Appellation d'Origine Contrôlée :アペラシオン・ドリジーヌ・コントローレ】といいます。あらゆる農作物について、原産地の保護と品質の保持を目的として定められた法律で、原産地呼称委員会 【Institut National des Appellations d'Origine:INAO】が管理しています。
 たとえばチーズ、バター、ワインなどが有名です。
 この法律は、かなり厳格です。

 例えば、カマンベール・チーズであれば、Camembert de Normandie 【カマンベール・ド・ノルマンディ】という名前と同時に必ず、AOC(またはAppellation d'Origine Contrôlée)の文字が入っています。
 逆にいえば、カマンベール・チーズの名称を使っているのに、AOCが入っていないのはフランスのものではありません。ただし、フランスのチーズだからといって、必ずしもAOCに入っているとも限りません(このあたりが少し面倒なのですが)。


 今回の例でいえば、ノルマンディー地区のカルヴァドス以外のアップル・ブランデーには、どのような理由があろうとも絶対にカルヴァドスの名を付けることはできません。また、たとえノルマンディー地区であろうとも、規定に沿ったものでなければなりません。ブドウの品種、栽培方法、剪定・収穫方法、醸造・蒸留の方法、検査方法など。
(ちなみにカルヴァドスに適用される場合には、「Appellation Calvados Contrôlée」となります)

 この規定にひとつでも沿わないものは、単にApple - Brandy 【アップル・ブランデー】としてしか売ることができません。
 ちなみにアメリカでは、アップル・ブランデーをApple - Jack 【アップル・ジャック】として販売しています。

 
 -  ☆  -  ★  -  ☆  -  ★  -


 もう少し、豆知識。
 カルヴァドスには3種類のAOCが適用されています。


1:Calvados 【カルヴァドス】

 カルヴァドス県のみでなく、オルヌ県、マンシュ県のすべてと、ウール県、ウール・エ・ロワール県、マイエンヌ県、サルト県で作られるカルヴァドスです。半連続式蒸留器で作られます。


2:Calvados du Pays d'Auge 【カルヴァドス・デュ・ペイ・ドージュ】

 カルヴァドス県の中でも、ペイ・ドージュA.C.で作られているカルヴァドスです。単式蒸留器に2回かけるという、コニャックと同じ手法を使っています。
(ちなみにコニャックもAOCです。コニャックとアルマニャックについてはいずれ)


3:Calvados du Domfrontais 【カルヴァドス・デュ・ドンフロンテ】

 カルヴァドス県のドンフロンテA.C.で作られているカルヴァドスです。半連続式蒸留器で作られ、洋梨のワインを30%以上含むことが条件となっています。


 これらについては、厳密に覚えるというよりは、AOC(というより、Appellation Calvados Contrôlée)と書いてあれば間違いないということだけ知っていれば、買うときに間違いがなくて済むでしょう。


 -  ☆  -  ★  -  ☆  -  ★  -


 で、味の方ですが、その前に。
 
 改めまして、開けましておめでとうございます。
 今年もいろいろなお酒に出会いたい。そして嗜んで、カクテルを作り、いろいろと書いていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。

 ということで、最初の1本。実はこれが選ばれたのは、まったくの偶然なのです。
 元日の(というか年越しで)初詣に参り、帰り際に輸入食材の専門店に立ち寄り、中を覗いてみれば「安売り!」の文字のオンパレード。
 BOMBAY SAPPHIRE 【ボンベイ・サファイア】も二度とこの値段まで下がらないだろうというぐらい安かったのですが、冬だし、METAXA 【メタクサ】も切れたので、フレンチ・ブランデーにしようかな・・・と、ブランデーのコーナーへ行ってみれば・・・ブランデー、特売してないじゃない。

 スコッチのモルトは、やっぱりちょっと高いし、リキュールは酒倉庫の方が充実してるし、スピリッツも酒倉庫の方が・・・うー・・・と、やっぱり買うのやめようかと思い始めた頃に、目に付いたのが「CŒUR DE LION」。「獅子の心臓」? 何だか凄そうなコニャックだなぁ・・・よし、これに決めた。
 というわけで、家に持ち帰って、写真に撮って、一口飲んだら・・・

 ・・・

 ・・・・・・

 ブドウじゃないよね、これっ!?

 えええええ、まさか・・・これって、えええ、ええええ!!!???


 いやぁ、おバカですねえ・・・。
 ブログでも「ラベルを見ると、こう書いてある」とか、他のところでも「ラベルに書いてありますよ」とかさんざん書いてるくせに、ラベルを一切見ずに、どういうわけかコニャックだと思い込んで買ってしまったんですね。多分、ラベルの最初の「C」という文字だけを見て、Cognacだと思い込んだ、とそんなところだと思うのですが。

 分かります? 凝縮されたブドウの、濃厚で重厚な味わいを期待していたら、濃厚ではあるが艶やかな香りと爽やかな味わいのリンゴの風味が駆け巡ってきたときの驚き!
 後で考えたら、色が薄いので分かりそうなものなんですが・・・思い込みって怖いですねえ。

 グレープ・ブランデーに比べるとキレが良く、華やかでまろやかな味わいなので女性向きかも知れません。


 -  ☆  -  ★  -  ☆  -  ★  -


 などと書きつつ、アップル・ブランデーでなくカルヴァドスという指定をしているカクテルを作ってみます。


APPLE CAR


Apple - Car 【アップル・カー】

基酒:Brandy 【ブランデー】
技法:シェーク
度数:25度
グラス:サワー・グラス
レシピ
 Calvados 【カルヴァドス】 1 + 1/4 oz.
 White - Curaçao 【ホワイトキュラソー】 1/4 oz.
 Lemon - Juice 【レモン・ジュース】 3/4oz.


 ああああ。せっかくのカルヴァドスがもったいないいいい・・・・と、シェーク中に思う。
 ううう、これでマズかったら、ドルーアンさんに何て詫びようか、とか考えつつ(別に知り合いでもなんでもないだろうが!)・・・うん?!

 うまい!

 いくら、リンゴの持つ爽やかさを有するとはいえ、蒸留しているだけに濃密でやや痛烈ともいえる性質を内包しているカルヴァドスを、優しくも、しかし酸味溢れる代物に変えてしまっています。
 うーん、カクテルって深い・・・。


 -  ☆  -  ★  -  ☆  -  ★  -


 予想外の始まりとなりました。値段については、お店によって違うものも多いのであまり書きたくはないのですが、350mlで1400円弱なら、ブランデーとしてはかなりお手頃だと思います。
 Selection となっているので期間限定品かも知れませんね。



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カルヴァドスの本場ノルマンディー地方で愛飲されています。7年以上熟成させたオルダージュは、りんごの風味が凝縮した濃厚で、奥深い味わいをお楽しみいただけます。オンザロックがオススメ♪・カルヴァドス・ グラッパ vs カルヴァドス・ ナントとフルーツブランデー・ 梅
2007.08.11 11:33 ブランデーがたくさん
Domaine Au Martin [1983]・総額100万円ワインオークション始まる! 4周年記念祭大セール!大 ...・コニャック、アルマニャックなど購入。・いただきまーす・ 片手にピストル 唇にアルマニャック・浮き足だってます日記・可愛いコーデ発見!!日記・SMWS春ボトル試飲~ブロ
2007.08.13 10:21 ブランデーのレス

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