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Spirits - その8 アナタ、肉クウ人

Posted by 倖成卓志 on 03.2007 雄渾のスピリッツ 5 comments 0 trackback
BEEFERATER


Beefeater
 【ビーフィーター】


 ようやく出てきました、「牛肉を食べる人」のジンです。
 普通、「ジンを紹介します」といったら、最初か2番目には出てくるの代物なのに、ジンの中で6番目の登場です。
 私に既成の概念が必ずしも通用するとは限らないという、好例であります。
(注:ひねくれてる、ともいう)

BEEFEATER(label)


 この銘柄が誕生したのは1820年。それまでのジンはジュネヴァ(ジュニパー・ベリー)が主原料でした。あとは原料とは到底呼べないような、粗雑極まりない混ぜ物を合わせていたために、「ジン = 粗悪」というイメージが定着してしまったようです。
 そんな中、コリアンダーの種やアンジェリカの根などを使い、オレンジのフレーヴァーを漂わせ、馥郁たる味わいに仕上げ、「ジン = 洗練された蒸留酒」というイメージを植えつけるのに成功したのがこの一品です。
 さて、

 ビーフィーターとは、イギリスのロンドン塔の警護をする、衛兵たちの愛称です。赤を基調に、黒と金をあしらった服装で知られています。TVなどでイギリスの映像が流れる時には、たいてい付随して彼らが映し出されるので、ご存知の方も多いことでしょう。
(今年、ついに女性ビーフィーターが誕生するとのことで、すでに世界中から注目を集めていますね)

 1485年、国王ヘンリー7世が創設した護衛兵がその前身です。当初の主な役目は、王宮の塔の警備、囚人の監視などです。彼らはイギリス軍で22年以上勤務したベテランの下士官から選ばれます。いわゆる、生え抜きですね。それだけに忠誠心は非常に高いといえます。
 現在では観光名所となったロンドン塔のガイド役と儀式への参列が主な任務となっています。なので、ロンドン塔に行かれた方は、儀典の最中は別として、臆することなくむしろ積極的に話しかけるべきですね。
 ちなみに、正式名称は「The Yeomen Warders 【ザ・ヨーマン・ウォーダー】」といいます。


 -  ☆  -  ★  -  ☆  -  ★  -


 なぜ彼らがビーフィーターと呼ばれるのか?
 東洋人は西洋人に対して、東洋人が野菜や魚を好むのに対して、西洋人はステーキを好む傾向にあるという印象をお持ちではないでしょうか?

 間違いではないのですが。

 コナン・ドイルの名探偵シャーロック・ホームズのシリーズをお読みになる方はお気づきとは思いますが、たとえ西洋人(この場合はイギリス人)といえど、一般庶民は牛肉を食べる機会というのはそんなにあるわけではありません。ホームズものでも、羊肉や豚肉、イワシ、ニシンなどは出てきますが、牛肉はあまり出てきません(「具体的にはどのくらい?」と聞かれると困りますが、牛肉に貴族的なイメージがあるのは確かです)。
 
 で、
 衛兵たちには、戦いに備えて体力をつけるために、給与として君主から牛肉を賜ったからという説。あるいは、国王や領主の召し上がるロースト・ビーフの毒見をしたからといった説をもって、ビーフィーターと呼ばれたようです。


 -  ☆  -  ★  -  ☆  -  ★  -


 ジンの話に戻りましょうか。

 まず、なぜこのジンにビーフィーターの名が付けられたのかというと、ジンの製造法が秘伝であり、「ビーフィーターがロンドン塔を守るように」代々、厳密に守り続けよ、厳格であれよと後継者たちに意識づけるためのようです。もちろん消費者に対しては「ビーフィーターたちのように、秘伝は確固たる意志で守り続けています」というアプローチでもあるのですが。

 粗悪なジンのイメージを払拭した一方で、「ビーフィーター = ジン」という新たなイメージが作られたのは確かですね。

 私なりのテイスティングでは、
 「オレンジ・フレーヴァーが強すぎる」
 です。
 ジンの嫌いな方は、「ジンは松ヤニのにおいがする」とおっしゃいますが、ジンに松ヤニは使われていません。杜松[ねず:ジュネヴァ]のにおいですね。ビーフィーターは、それをあまり感じさせません。逆に、オレンジのフレーヴァーが強すぎます。

20070203121757.jpg


 Gin & Tonic 【ジン・トニック】 はかなりいい感じです。Victrian Vat 【ヴィクトリアン・ヴァット】 は別格として、「喉が渇いてるから、本格的に飲むまえに軽く喉を潤したい」という最初の一場面では、非常にバランスの取れた飲み物として、最適なのではと感じさせてくれます。


Martini(BEEFEATER).jpg



 Martini 【マティーニ】 も、いい感じですね。ドライ・ヴェルモットの複雑で、でも統制の取れた味わいとの相性はかなり良いのではないかと思われます。気取らずに飲めるという面と、でもこだわって飲めるという面の両方を満たしてくれるのではないのでしょうか。比率を変えていっても、ジンの香りとヴェルモットの香りがうまく残ってくれます。意外と面白いジンかも知れません。

 ただ、

20070203121812.jpg


 Gin & Bitters 【ジン&ビターズ】 は、ちょっと外れかな。アンゴスチュラ・ビターズの苦味が強調されてしまいます。オレンジの苦味の強さが、ビターズと反発してしまうのか、ビターズがストレートで飲むよりもクドく感じてしまいます。これだけはお勧めできませんね。


 -  ☆  -  ★  -  ☆  -  ★  -

 初めてビーフィーター・ジンのマティーニを飲んだときに「オレンジの皮を噛んだようなにおいがする」と言ったのを思い出しました。

 ヴィクトリアン・ヴァットの強烈な香りを浴びた印象が強いので、過度に反応している危険性があるのですが、ビーフィーターはオレンジのような香りが強すぎます。
 かといって、質が悪いのかといえばむしろ逆で、安心して飲める。ビーフィーターのジン・トニックが思ったよりも飲みやすい、まだ一滴も酒を口にしていない状態ではゴードンよりもこちらのほうが最適じゃないかな、と思えましたね。ただどうしても、どちらかといえばゴードン派なので(実はボンベイ派だったりしますが)、ジュネヴァを感じさせてくれないという欠点がすごく気になりました。


 書いている前日、予告にないお酒をさらに2つ仕入れてしまいました。まだ自宅の棚にはたくさんの酒が居残っているのに、これは欲求不満からの衝動刺激欲求でしょうか。とりあえず、予告の品を先にいきます。せめて空になる前に(苦笑)。



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ここのブログを読まして貰ってから、
すごくカクテルが飲みたくなってしまったので、
大阪に帰ったときに学生時代よく行っていたバーに飲みに行きました。

栗色の息吹が一番好きなのは、ホワイトレディなので、一番に注文しました。
ジンは、指定しなかったのですが、
マスターはビーフィーターを使ってました。

非常に美味しく飲みましたが、
ホワイトレディで倖成卓志さんのオススメのジンは何ですか?
よかったら教えて下さい。
2007.02.05 21:27 | URL | 栗色の息吹 #OARS9n6I [edit]
 うっ、難しい質問・・・。
 実は、サイド・カー&ヴァリエーションズ(参照:Cocktail - 第3回 Side-Car & Variations)の中で最も作らないのがこれなんです。一番作るのがX.Y.Z.で、次がマルガリータ。誰かに頼まれればサイド・カーを作るぐらいで、バラライカとホワイト・レディは作らないですね。特に理由はないのですが。

 今日のこの時点ですでにビーフィーターを切らしているので、手元にあるいくつかのジンで試したところ・・・いいのがないなあ。ジンが妙なクセを生み出して、味が不統一な感じ。
 元々、クレーム・ド・ミント(白)だったのをジンに変えたわけで。ずっと以前に、バーで一度だけホワイト・レディを頼んだときも、ビーフィーターで出されたような気がします。ラム・ベースのX.Y.Z.を考慮にいれると、甘めのジンであるビーフィーターが一番合うのかも知れませんね。
 好みがあるので一概には言えませんが、ゴードンとボンベイのホワイト・レディは自分好みには仕上がりませんでした、と報告(ただ面白い命題ではあるので、もう少しキッチリと検討してみますね)。
2007.02.10 17:08 | URL | 倖成 #iqhSIKS2 [edit]
> ホワイトレディで倖成卓志さんのオススメのジンは何ですか?
うむー、横槍ながら私見を。

僕ならビーフィーターかタンカレーですかね。
ジン・カクテルでスッキリした甘さがほしいレシピなので、苦味の強いジンは相性よくないかと。
その点、ビーフィーターもタンカレーもスッキリと通りのよい味と香りなので、ホワイトレディのよさを引き出してくれるのでは?

まぁ、こんなのは飲む人の好みと言われちゃ元も子もないんですけど、僕なら、ということでコメントします。
2007.02.11 15:29 | URL | 神保銀郎 #tpujIlOc [edit]
コメントしてしまってからの後悔です。
このブログは僕のではないし、レスした先のコメントも僕からの回答は求めてないんですよね。
そうなると、ブログ主の倖成さんにも、コメントされた栗色の息吹さんにも失礼だったな、と。
申し訳ありませんでした。

けれど、僕の都合勝手でコメント削除するというのも失礼かと思いましたので、上記のコメントはそのまま残します。
ブログ主の倖成さん、自由に処分してください。
2007.02.14 00:59 | URL | 神保銀郎 #tpujIlOc [edit]
・好みについて
 正直、作りなれていないカクテルなので答えようがないのですが、ジンの「らしさ」がかき消される感じがします。良いか悪いかではなく、好みの差であることは確かなので、それぞれの人がそれぞれに好きなレシピを探し出していくことも、カクテルの楽しみのひとつですね。

・コメントについて
 このブログのコンセプトのひとつに、「いろんな意見を書いて欲しい」というのがあって、それの派生が掲示板なので、私としてはいろんな方がいろんな形のコメントを残してくださるのは嬉しい限りです(逆にいえば、私がそのスタンスで続けていることをご存知がゆえの勇み足(?)といったところでしょうか?)。

 そんなわけで、他の方々も遠慮なく、「こういうことを聞いていいのかな」「自分ならこうする」「○○ってどういう意味なんですか」みたいなことを書いていただけると、私自身の勉強にもなりますし、ブログでの話の幅も広げていけると思いますので、よろしくお願いいたします。
2007.02.18 08:16 | URL | 倖成 #iqhSIKS2 [edit]


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