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Wine - 第2回 黒猫

Posted by 倖成卓志 on 11.2006 魅惑のワイン 0 comments 0 trackback
 分かる人には題名だけで分かる、定番のドイツ白ワイン。

 「黒猫は悪魔の使い」

魔女の傍にいる使い魔は・・・黒猫。
黒猫が目の前を通り過ぎると不幸になる。
 黒=闇
 闇=魔
 魔=不幸

 という辺りが、日本人が西洋から受信した情報でしょうね。一方で、

「黒猫は神の使い」

黒は何色にも染まらない=何色も跳ね返す
病気・災厄にも染まらない=最高の厄払い

 というわけで、占い師やハリウッドの女優さんなどで、むしろ積極的に黒い猫を飼う人もいるそうで。


 ドイツ・ツェル地方では「黒猫が座った樽のワインが最高」と言われ、「ツェルの黒猫」という意味の

ツェラー・シュワルツ・カッツ

Zeller Schwarze Katz 【ツェラー・シュワルツ・カッツ】

という名が冠せられているのがこのワイン。
 少し甘口で、年配の方などが時々「(ドイツの)白ワインは甘い」とおっしゃられるのですが、このワインの影響ですね。近頃のドイツの白ワインは必ずしも甘口のものばかりではないのですが。
(ちなみに今年はドイツ年で、ドイツの優秀な白ワインが日本にかなり流れ込んできています)


Tクン「黒猫の、って値段がいろいろあるんだけど・・・ランクの違い?」
 はい、知りたがりやのTクン登場。素朴な疑問ってすっごく刺激になります。「知ってるつもり」になっていたのが、調べてみると「え、違うの!?」なんてことがあったりして・・・。
 でもって、回答です。

答え:造り手(ワイナリー)の違い

いろんなワインを飲んでいって、ふと畑との関係に疑問を抱くと、名前で混乱します。
 たとえば、「 Chateau Margaux 【シャトー・マルゴー】 」というのは、その名の通り、「シャトー・マルゴー」で作られている赤ワインに冠せられる名前です。
 当たり前?
 でも「 Chablis 【シャブリ】 」は「シャブリ」という地方で作られた白ワインです。
 お分かり?
 シャブリのランクとしては「1級畑【 1er Cru :プルミエ・クリュ】」や「特級畑【 Grand Cru :グラン・クリュ】」などがありますが、だからといって「シャブリの 1er Cru 【プルミエ・クリュ】を下さい」と言われてもどうにもなりません。何故なら、同じ地方にはたくさんの畑があって、しかも1つの畑から獲れたブドウをワインにする人たちもたくさんいるのです。
 シャブリ地方の 1er Cru【プルミエ・クリュ:1級畑】 のひとつ、 Montee de Tonnerre 【モンテ・ド・トネール】 で獲れたブドウで、 Louis Michelle 【ルイ・ミシェル】 という人が作ったワインが欲しい場合・・・「『シャブリ、プルミエール・クリュのモンテ・ド・トネール、2004年、ルイ・ミシェル』を下さい」。厳密にはここまで言わないと通じない。

 ちょっと難しい話になっちゃいましたね。
 敢えて誤解を恐れずに、メチャクチャ大雑把に例えると、「サントリーのビール下さい」と言われても困っちゃいますよね? 「サントリーの、何のビールが欲しいの?」
 「MALT'S 【モルツ】」なのか「The Premium Malt's 【ザ・プレミアム・モルツ】」なのか「発泡酒・純生」なのか「ダイエット生」なのか「SUPER BLUE 【スーパー・ブルー】」なのか・・・(最後の方は「発泡酒」とか「その他の雑酒」になりますが、雰囲気として感じてください)。
 ワインの場合、ブドウ畑からすでに分類が始まっているわけです。「Chablis 【シャブリ】 下さい」と言っても、「どの畑で獲れたやつ? 何年もの? 造り手は誰?」・・・まあ、ここは日本であって、本場フランスではないので、そこまで厳密に覚えたり頼んだりする必要はありません。買うときに「酸味が強いのが好き」とか「さっぱりしたのがいい」と言って相談するのが吉です。

 話が横道にそれてしまいましたが・・・。
 要は「 Zeller Schwarze Katz 【ツェラー・シュワルツ・カッツ】 」も、ツェル地方で作ったワインになら、ツェルのどこで誰が作ろうが同じ名前を使うことができるわけです(もちろん、限度というものはありますが)。1箇所のワイナリーがランク付けして売っているわけでなく、多くの造り手(ワイナリー)がいるわけで、それによって値段が違うわけです。ちなみに、瓶の形やラベルの模様、ラベルに描かれている黒猫の様子なども異なるので、「あれ? この間○○で見た黒猫と違う?」ということもしばしば。
 同じ「カッツ」でも微妙に味は変わるわけで、まあそこまで深入りする必要はないのですが、「高いのは良質、安いのはそうでもない」というわけはないので、懐具合と相談して(というほどの差額でもないのですが)一度試してみるのもいいでしょう。


 せっかくなので、新しいドイツワインをひとつ紹介!!
Weingut Spreitzer 2004 Oestricher Lenchen Kabinett
 Weingut 【ヴァイングート】 というのは醸造所のことです。ラインガウ地域と言えば、 Steinberger 【シュタインベルガー】 が有名ですが、そこのワインということで買ってみました。「ツルンとした感覚」と言われたのですが、確かに果実味と酸味とがきれいにまとまって、皮を剥いたばかりのブドウを飲み込んだような、優しくも不思議な味わいでしたが・・・・。
 日本のネット情報を引っ張ろうとしても見つかりませんでした。深緑色で、クリスタルを思わせる瓶の形・・・よし、今回はイジワルして(?)、瓶は見せずにラベルだけ。
spreitzer.jpg


 ラベルの裏表示によれば、作り手は「Weingut Josef Spreitzer」。
 なお公式HPは↓です。が、当然すべてドイツ語ですのでご注意。
http://www.weingut-spreitzer.de
 で、確かにラインガウ地域、ブドウは Riesling 【リースリング】 を使っているとのことで。
 うーむ、HPのドイツ語を訳することができればもっと分かるかも知れないのですが。もしかしたら、日本にはまだそれほど入ってきていないのかも・・・。
 これからは、より容易に入手できるでしょうし、値段もそれほど高くないので一度お試しを。



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