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言いたい放題 : ビール雑談

Posted by 倖成卓志 on 03.2007 言いたい放題 0 comments 0 trackback

 ビール業界が大苦戦を強いられています。

 ビール大手4社といえば、キリン、アサヒ、サッポロ、サントリーですが、平成16年6月度の連結中間決算によれば、軒並み営業減益。つまり、売り上げダウンだそうです。でも、かなり多くの種類のお酒が出回っているような気がするのですが・・・。
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Beer01



 メーカーさんにこういうことをして欲しいとか、こういう製品を出して欲しいという、一介の飲み手としての戯言をちょいと書いてみたいと思います。


 先にも書いたのですが、スーパーや酒の量販店などに赴くと、次から次に新しいお酒が出てくるのが分かります。
 ビール関係に絞ってみても、ビール、発泡酒、第3のビール、チルドビール、ビールテイスト飲料(ノン・アルコール・ビール)などなど。
 各社のホームページを覗くと、本当に様々な商品が出ています。

 結論から書いてしまうと、あまりにも多くの製品が出すぎて、違いが分からない。どれを買って良いのか分からない。
 TVやラジオなどのCMでも、草原を背景にして爽快感を演出したり、キャンプ場を設定して和気あいあいと飲んでいる様子を映し出したりしても、ではいざ店頭に足を運んでみると、どれが何だったのか分からない。

 はて、これは何なのだろう。

 結論:魅力に乏しい。


 真面目なビールは多いと思います。しかし真面目すぎませんか?
 高品質のものを安定して大量に作り出す技術に関して言えば、客観的に見ても、日本は世界でもトップクラスだと思います。
 方程式に乗っ取った製品。
 でも、予想外がない。

 よなよなエールはちょっと予想外(一部のコンビニで取り扱い開始は嬉しい誤算)。

Beer02


 奇抜なものをあまり出したくないという気持ちは、分からないわけではありません。
 もっとも、言うだけなら簡単だということは承知しています。もっと苦いのを、もっと軽いのを、もっとフルーティーなのを、もっとコクがあるものを、もっともっと・・・。
 しかし、原材料を集める手間暇、人件費、その他諸々の諸経費。
 売れなければ意味がない。過剰在庫は抱えたくない。


 さてここで問題です。
 ”売れない”商品は、本当に”売れない”でしょうか?


 -  ☆  -  ★  -  ☆  -  ★  -


 まだベルギー・ビールが日本であまり浸透していなかった頃、とあるベルギー料理の専門店が、女性客に人気があるとのことで、TV番組が取材・放送していました。
 その中で特に、ベルギー・ビールが女性に人気があるとのことで、レポーターが「女性は流行に敏感ですからね」とコメントしていたのですが、果たしてそうでしょうか?


 半分正解、半分外れ。

 「半分正解」というのは、ベルギー・チョコレートやベルギー・ワッフルなどから、ベルギーの(特にお菓子の)流行によって、ベルギー関係の料理や旅行ガイドブックなどが日本中に広まったということ。
 これに伴って、ベルギー・ビールも日本にたくさん入ってきて、流行に目ざとい人なら一度は試してみたくなるのも頷けるでしょう。

 「半分外れ」というのは、いくら流行であっても、感性が合わなければ盲目的には受け入れないということです。せいぜい最先端を気取るだけ。そして何よりも、私がくどいぐらいに書いている「ビールの苦味を好まない女性が多いことを、世の男性はあまり認識していない」ということです。チョコレートの苦味や、クリームの甘みは調整できても、ビールの苦味や香りまでは調整できません。いくら流行とはいえ、それほど人気を博すでしょうか。

 そして、今なおベルギー・ビールは、日本の大人の女性たちを虜にしているという現実です。
 ベルギー・ビールの最大の特徴は「種類が豊富である」ということです。種類というのは、名称ではなく、原材料のことなのです。非常に苦いビールもあれば、ホップをまったく使っていないものもある。何より、果実味と果実香のあるビールが豊富にある。

 これはベルギーだけでのことではなく、いろんな国でいろんなスタイルのビールが作られています。


 日本の真面目なビールは、「麦芽 + ホップ + 水 + 酵母」の方程式の中で、それぞれの要素に変化を与えているだけという感じがします。
 どこそこの麦芽を使っています、今までとは違うホップを使っています、水にこだわりました、類稀な酵母を発見しました・・・。
 そして私がいつも不思議に思うのは、「調和が取れている」とか「バランス良く配合」といった言葉です。コクがありすぎたり、刺激が強かったり、あるいは飲み手が制限されるほどにクセが強いのは、いけないことなのでしょうか。まったく想像も付かない、これはビールとはいえないだろうと思わせるような珍奇な代物は、出てこないのでしょうか。


 ヘンプ・ビールというのがあります(参照:Beer その3 - これって麻薬?)。その中でさらりと書いているのですが、日本でも小さなビール会社が作っています。でもスーパーどころか、酒屋ですらほとんど見かけません。
 実は日本でも、すごく苦いビールとか、本場イギリスを思わせるような甘口のエールなどを作っている会社はあるのです。それらは規模が小さくて目立たない。少なくとも、スーパーやコンビニなどではまずお目にかかれません。

 消費者がそれを求めていないからなのでしょうか。あるいは取り扱い店が、それほど売れないと思っているからなのでしょうか。


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 ”売れない”商品は”売れない”か?

 実は、市場調査の盲点がここにあります。


 ある会社が日本でも宅配ピザを始めようと、市場調査を行ったところ、その結果報告は「日本にはなじまない」。大きな理由は、
 ①『出前』というシステムがすでに存在しているから、宅配ピザの入り込む余地はない。
 ②日本人はチーズをあまり食べない。

 そこで社長が出した結論は「ならばやろう」。この結果を聞けば、どこの会社も、誰もやらないに決まっている。だからこそ、やって成功すれば先駆者となれる。
 アメリカのピザ会社と契約し、1985年、ターゲットを若者に絞り込む意図を込めて東京・恵比寿に第一号店を立てたのを皮切りに、やがてこの会社は日本での宅配ピザ業界最大手となったのです。

 この人物こそ、ヒガ=アーネスト=マツオ氏。会社はヒガ・インダストリーズ。いや、契約したアメリカの会社の方が分かりやすいでしょうか。それは『ドミノ・ピザ』なのです。


 似た話はいくらでもあって、たとえばイトーヨーカ堂の鈴木敏文氏が、日本でCVS(コンビニエンス・ストア)を始めようとしたときも、外部調査の結果では疑問符が付いたのです。理由を簡潔に述べると、
 ①アメリカではスーパーマーケットが小規模小売業を席巻してしまい、ちょっとした買い物や急な買い物でもスーパーにまで赴かなくてはならなくなってしまった。行くのも大変、広い店内を歩き回るのも不便。だからCVSが発展した。日本のスーパーにはまだそんな力はない。
 ②日本のパパママストア(解説:家庭的な雑貨店)はコンビニエンス性(解説:便利性)だけで成り立っている。だからわざわざCVSを作る必要性はない。

 これに鈴木氏は猛反発。
 ①日本の小売店は生産性が低く、長時間営業に耐えられない。店の都合で開けた時間に、客に来いというのでは便利とはいえない。早朝や深夜のニーズはますます高まりつつある。
 ②品揃えも、消費者の嗜好の変化に十分に応えていない。身近なところで便利に買いたいという商品の品揃えになっていない。
 
 CVSが、一体何店舗あるのか想像もつかないほどに乱立している現状を見れば、”必要ない”という意見がいかに浅はか(というか机上の空論)で、反対を押し切ってまで新しいことに挑戦してみせた根性たるやすさまじいものを感じさせてくれます。


 話が少しずれましたが、”できない”とか”必要ない”というのは、そのほとんどの場合、理屈としては正しいのです。たまたま成功した例をちょっと挙げてみせただけで「簡単に『できない』というな。『できる』と思え」とか「『チャレンジ精神』があれば必ず成功する」と息巻いてみせるのは簡単です。
 しかし、実際には同じような挑戦をして失敗に終わった人たちはいくらでもいるのです。1人の成功者の影には、それこそ無数の失敗者たちの、屈辱や汚名や苦難、時に破滅が隠れているのです。それを一切無視して、耳障りの良い言葉ばかり発しても意味などありません。

 しかし、『チャレンジ精神』だけは常に持っていただきたい。


 上記に挙げた人たちは、現状から見れば経済史に名を残す偉人として語られてしかるべき人物ですが、その当初は社内に頑なな反対派を抱え、世間からは時に変人呼ばわりされても、信念を貫き通したのです。既存の常識が、未来においても常識であるとは言えないのです。


 ”売れない”商品は、現在の段階では”売れない”かもしれない。
 ならば、”売れる”ようにすればいい。


 市場調査で1%の賛同しか得られなかったとしないとしても、つまり、1000人中990人が眉を顰めたとしても、残りのたった10人を、永遠の虜としてしまうようなビール、作ってみませんか?
(ヒントはいろんなところに散りばめました)


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 やはり、ビール関連の話で締めるべきですね。

 サントリーの創業者といえば鳥井信治郎[とりい・しんじろう]ですが(正確には『壽屋』)、彼の代にはビールといえばキリン、アサヒ、サッポロの3社寡占状態で、しかも東京都と横浜市以外では、卸問屋が1社と専属契約する決まりになっていて、他社参入の余地がなかったのです。
 1928年、ウィスキーで名を馳せた壽屋がビール業界に挑戦するも、他社からの反撃を受け、1934年に撤退。

 時代は下って1960年。当時、社長代行となっていたのが、信治郎の次男の佐治敬三【さじ・けいぞう】(母方の縁者と養子縁組したため姓が異なる。ちなみに長男・吉太郎は1940年にすでに死去)。
 ウィスキーの成功で社内の緩みを感じた敬三は、意識改革のために何かでかい事業に挑戦しようと決意。自宅療養中だった信治郎の枕元でその旨を伝えると、信治郎はこう言ったという。
「わてはこれまでウィスキーに命を賭けてきた。あんたはビールに賭けようというねんな。人生はとどのつまり賭けや。わては何も言わん。やってみなはれ」
【参照:『へんこつ なんこつ』日本経済新聞社】

 1963年、ビールの売り出しと同時に、社名を『壽屋』から『サントリー』へ変更。当初は大して見向きもされていませんでしたが、現在では、大手四社のひとつとなっています。

(ちなみに発泡酒の生みの親である第三代目社長・鳥井信一郎【とりい・しんいちろう】は吉太郎の子。現社長(四代目)は敬三の子の佐治信忠【さじ・のぶただ】氏)

 
 これもまた、耳障りの良い成功例ですが、教訓は感じられるはずです。


 -  ☆  -  ★  -  ☆  -  ★  -

 
 ビールに思うところあって、画像に登場した5本のビールをコンビニでまとめ買いし、味を比較しながら、久々に思うがままに書いてみました。
 ちょっと寄り道が多かったかな。
 個別のレビューは置いときます。決して見劣りのする代物ではないので(うち2つは既に書いていますが)、味覚の範囲を広めるために、飲み比べてみるのもいいかと。


 ビールの季節はひとまず区切りが付いて、さて次は何に没頭してみようか・・・。



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