古今東西、「苦いもの」といえば?

「やっぱ、苦瓜(ゴーヤ)。沖縄のチャンプルーとか流行ってるけど、ちょっと苦手」
「青汁とかヤだ。ワケわかんない。臭いし、色も気持ち悪いし」
「コーヒーはダメ、どうも身体に合わないみたい。チョコは大丈夫なんだけど」
「人生は苦いものさ、とか言ってみたり・・・違うか」
「『良薬、口に苦し』という言葉がありますが、私はどうも納得がいきませんね。たとえ薬が甘くても、効能が一緒ならそれで良いのではないかと思います」
「苦いものは全部ダメなのん。甘いものじゃないといや」
「あ、自分、逆。苦いの結構好き。セリとか」
「ウソだあ。野菜とかの、苦いのとか臭いのとか『ウゲッ。気持ち悪っ』とかなる。ピーマンとか。そんなの、別に食べなくたっていいじゃん、とか思わない?」

 他には?

「オレンジ」
「「「・・・はい?」」」
「苦いオレンジ。あれ、割と好き」
「甘酸っぱいのとかじゃなくて? 苦いほうがいいの?」
「ナマモノのオレンジじゃなくて、オレンジのお酒の苦いヤツ」

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 これのことですね?

PICON

PICON
【ピコン】



PICON(label)


 製造元はピコン社。
 度数は18度。

 フランスの軍人だったGaetan Picon 【ガエタン=ピコン】 なる人物が、アフリカのアルジェリアに派遣されたとき、現地で生えている薬草に興味を持ちました。そして、退役後の1837年、中性スピリッツにオレンジの果皮、ゲンチアナ(リンドウの根)、キナ、砂糖などを混ぜ合わせて造ったのが始まりです。
 アメールはフランス語で「苦い」という意味で、「アメール・ピコン」と呼ばれることもあります。

 誤って、オレンジや柑橘類の皮をかじってしまい、苦汁が口の中に飛び込んできて驚いたことってありませんか? あの苦汁を濃縮してさらにエグい感じにしたものをイメージしていただくと、これが到底ストレートでは飲めない代物だというのは分かってもらえるでしょうか。

 ラベルには「APÉRITIF À L'ORANGE 【アペリティフ・ア・ロランジュ】」とあります。「オレンジの食前酒」という意味です。
 「アペリティフ」はラテン語で、「食欲 【appetit】 をそそるもの」という意味の「aperire」から来た言葉です。
 ちなみに食後酒は「ディジェスティフ」といい、綴りは「digestif」。ラテン語で「消化」を意味する「digestive」が由来のようです。


 ちなみに『近代絵画の誕生1863』や『素晴らしき時の震え』など、フランス絵画についての書を著した同姓同名の文人とは何の関係もありません。
 多分。


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 さて、カクテルに入る前に気付いたこと。
 こちら、楽天さん。




 ラベルが違いますね。

 楽天さんの(というより普通に入手できるもの)は、ラベルがオレンジで「BIÉRE」と書いてありますね。「BIÉRE」とはフランス語で「ビール」の意味(ちなみに「棺 【ひつぎ】」という意味もありますが、当然違いますね)。
 私の入手したほうは、白いラベルに「CLUB」の文字。意味は英語と同じで、「社交」とか「親睦会」。まあ、おそらく流れてくる音楽に合わせて踊ったり飲んだりするいわゆる「クラブ」でしょう。
 ということは、供給先の違いでしょうか。バーやレストランに出されるのがオレンジのラベルで、クラブなどに出されるのが白のラベル・・・と、これはあくまでも想像です。


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 さあ、カクテルを探そうと、意気込んで出かけたのは良いものの、ほとんど見つからなくて撃沈。

 まず、簡単に作れて簡単に飲めるもの。

Picon - Highball


Picon - Highball 【ピコン・ハイボール】

 基酒:Liqueur 【リキュール】
 技法:ビルド
 度数:6度
 グラス:ハイボール・グラス

 レシピ
 Picon 【ピコン】 45ml
 Syrup de Grenadine 【グレナディン・シロップ】 3dashes.
 Soda 【ソーダ水】 適量

 アペリティフとしてはうってつけです。ロング・カクテルですが、爽快さよりも「苦味」が強く感じられる、ちょっと大人の食前酒。


PiconCocktail


Picon - Cocktail 【ピコン・カクテル】

 基酒:Liqueur 【リキュール】
 技法:ステア
 度数:17度
 グラス:カクテル・グラス

 レシピ
 Picon 【ピコン】 30ml
 Sweet - Vermouth 【スウィート・ヴェルモット】 30ml

 ピコンとSヴェルモットのハーフ&ハーフ。苦味はややまろやかに、しかしコクはしっかりと残っている。これも食前酒ですね。

 ピコンは一般には「アメール・ピコン」と呼ばれるので、上記の両者を注文するときは「アメール・ピコン・ハイボール」とか「アメール・ピコン・カクテル」と言ったほうが分かりやすいかも知れません。


 これら以外では、ビールで割ったり、ジンジャー・エールで割ったりするものもあります。
 カクテル自体のヴァリエーションも少なく、極端に言えば「ピコン・ハイボール」のためだけにピコンを置いてあるバーもあるので、メニューにあるかどうかを確認しましょう。

 甘口のアペリティフに飽きた方にどうぞ。


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 カクテル・ブックにあまり姿を現さず、(アメール・)ピコン・ハイボールの存在だけはそれなりに知られているという微妙な存在のリキュールです。
 私の場合は、8割方をCARPANO ANTICA - FORMULA 【カルパノ アンティカ・フォーミュラ】 とのピコン・カクテルで消費しました。
 ストレートはちょっと無理でした。コクがありすぎます。
 でも、グレナディンをちょっと足して、そのまま飲む人もいるようです。世界にはいろんなリキュールといろんな人がいるもんだなと、改めて思いますね。



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