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Cocktail - 第6回 Martini(2)

Posted by 倖成卓志 on 02.2006 悠久のカクテル 2 comments 0 trackback
6.何だかおかしいぞ!?

 前回の復習。

CocktailGlass.jpg


Martini 【マティーニ】

基酒:Gin 【ジン】
技法:ステア
度数:??度
レシピ
Gin 【ジン】 2/3
Dry - Vermoute 【ドライ・ヴェルモット】 1/3
Orange - bitters 【オレンジ・ビターズ】 1dash.

 カクテルの帝王、Martini 【マティーニ】 です。

 前回はこれについての豆知識、配合比率などを見ましたが、今回は後半ということで普段、カクテル好きの日本人(←ここ、あとで重要)もあまり触れない内容に突入。と言っても、言いたいことはひとつしかないのですが・・・。

 今回、かなりのレシピが登場します。「最初は初心者向け」を標榜しているのですが今回、初心者は混乱するうえ、下手するとカクテル嫌いに陥るかも知れないです・・・と、ちょっとコワイ雰囲気を醸し出しておきながら、結果、たいしたことなかったりする可能性もあるわけでして・・・実際の場面で今回の話をしたときの反応も微妙でしたので、どういう感想を抱くか、あまり自信がないのです。

 前フリがかなり長くなってしまいました。


 前回の途中に出てきたもので、
ジンをウオツカに変えてVodkatini 【ウオツカティーニ】、ジンをテキーラに変えて、Tequini 【テキーニ】
 というものもありましたね。
 実のところ、カクテルブックで初めてこれらを見たときに、一番肝心なことに気付かなかったのです。単に「 Martini 【マティーニ】 の変種かあ。へえ、そんなのがあるんだ」としか。
 基本は Gin 【ジン】 Vermoute 【ヴェルモット】 。
 そして、深く追求し始めていくと、Gin 【ジン】 の種類にこだわったり(コメントで神保様から指摘を頂いたように、ジュネヴァ [オランダ・ジン] にしてみるのも手です)、由来を探ったり、いろんな比率のものを知っていったり・・・。

 ・・・違うんですね、実は。
 そんなことじゃない。
 Martini 【マティーニ】 、いや、そもそも Cocktail 【カクテル】 というものは、そういうことではないのです。


 そのことに気付かされたきっかけが、次のレシピです。


French - Martini 【フレンチ・マティーニ】

基酒:Gin 【ジン】
技法:ステア
度数:?度
レシピ
[Stolichnaya] Red Vodka 【[ストリチナヤ] レッド・ウオツカ】 2/5
[De Kuyper] Raspberry - Liqueur 【[デ・カィパー] ラズベリィ・リキュール】 1/5
Pineapple - Juice 【パイナップル・ジュース】 2/5

 ・・・何これ?
 名前が French [フレンチ] なので、てっきりフランス産のジンと、French - Vermoute (つまり、Dry - Vermoute 【ドライ・ヴェルモット】)の組み合わせと思いきや・・・。


 さらに追い討ちをかけたのが、前回最後に再提示した

Vesper - Martini 【ヴェスパ・マティーニ】

基酒:Gin 【ジン】
技法:ステア
レシピ
[Gordon's] Dry - Gin 【[ゴードン] ドライ・ジン】 3オンス
Vodka 【ウオツカ】 1 オンス
[Kina Lillet] Dry - Vermoute 【[キナ・リレ] ドライ・ヴェルモット】 1/2 オンス


 こちらはまだ、「グラスが違う」、「シェークする」、「ウオツカが足されている」”だけ”という割り切りで凌ぐことが出来るとしても、French - Martini ってのは何なのでしょうか。材料からして全然違うじゃないか、と。

 一番肝心なことは・・・



7.始まりの終わり

 日本人の発想というものは大きく二つに大別できると思っています。
 1つ目は加工技術。時々、日本嫌いの西洋人は「日本は西洋の作ったものを真似しているだけ」「猿真似しか芸がない」と批判したりします。自動車を最初に作ったのも、テレビを最初に作ったのも日本ではないのに、応用技術を活かして中身だけを加工・取り替えて、世界トップシェアを誇る製品を作り上げてしまった。「考え出したのはオレたちなのに」というヤッカミもあるのでしょうか。
 2つ目は、変革性。上と似ていますが、大きく違うのは、「当たり前の”常識”を打ち破る力」ということです。テレビは部屋に置くもの、という当たり前の”常識”を打ち破って「いつかはポケットに入るテレビを作りたい」と言ったSONYの井深大のみならず。「携帯電話は抱えて運ぶもの」「車内に設置」という当時当たり前の”常識”を打ち破り、ポケットサイズの携帯電話の普及に成功したのは、充電可能な超小型電池を世界で初めて開発した、小さな町工場の工場長のおかげでした。


 前者の発想ということです。
日本人は全く未知のものに出会うと、公式に当てはめたがる傾向にあるようです。

 Martini 【マティーニ】

= Gin 【ジン】

    + Vermoute 【ヴェルモット】



 変数を変えること(比率)はすぐに思いつくのですが、定数(材料)を変えることはすぐには思いつかないのです。
 変えてしまうと、全く別のカクテルになるはずだ、と。ではどんな名前なんだろうか、と。調べて仮に見つかれば「ああ、そういう名前なんだ」。見つからない場合は「見つからないよ、誰か教えて」「見つからない。ひょっとしてオリジナル?」といったような感じで。


Midnight - Martini 【ミッドナイト・マティーニ】

基酒:Gin 【ジン】
技法:シェーク
レシピ
[Seagram] Gin 【[シーグラム] ジン】 1/2
Vermoute 【ヴェルモット】 1/2


これはまだ、軽い応用編。


Broadway - Martini 【ブロードウェイ・マティーニ】

基酒:Gin 【ジン】
技法:シェーク
レシピ
Gin 【ジン】 5/6
Creme - de - Cacao [white] 【クレーム・ド・カカオ(白)】 1/6


 必ずしも、ヴェルモットを使わなければならない、という”常識”さえ破って良いのなら、上記のカクテルも理解できるはず。同じく下記も。


Dry - Mermaid - Martini 【ドライ・マーメード・マティーニ】

基酒:Gin 【ジン】
技法:シェーク
レシピ
Gin 【ジン】 5/6
Cherry - Brandy 【チェリー・ブランデー】 1/6


 そして、ジンさえも・・・。


Campari - Martini 【カンパリ・マティーニ】

基酒:Vodka 【ウオツカ】
技法:シェーク
レシピ
Vodka 【ウオツカ】 5/6
Campari 【カンパリ】 1/6


 こうなると、最大の疑問。

マティーニって何なのさ!?


 前回で、Martini 【マティーニ】 の話はあらかた終わったと思いませんでしたか?
 実は、始まりでしかなかったのですよ。


 ジンとヴェルモットの組み合わせですらない、Campari - Martini 【カンパリ・マティーニ】 なんてのはそれだけで名前を付ければいいのであって、たとえば「Vodka & Campari」でも「Russian - Socks」でも、とにかくそれなりの名前を付ければいいじゃないか。と、思いませんか?(まあ、ネーミングのセンスはこの際置いといて)
 何も「マティーニ」なんて、それだけで存在している名前を付けることはないんじゃないか・・・。

 もうひとつ、紹介します。
ちなみに、マティーニではありません。

SaratogaCooler


Saratoga - Cooler 【サラトガ・クーラー】

基酒:なし
技法:ステア
度数:0度
レシピ
Lime - Juice 【ライム・ジュース】 20ml
Ginger - Ale 【ジンジャー・エール】 適量
Sugar - Syrop 【シュガー・シロップ】 1tsp.

 ノン・アルコール・カクテル、Saratoga - Cooler 【サラトガ・クーラー】 です。その名の通り、アルコール度数は0度です。
 ノン・アルコール・カクテルはこの他に有名なもので、Cinderella 【シンデレラ】Pussy - Foot 【プッシー・フット】Shirley - Temple 【シャーリー・テンプル】 などがあり(各レシピはいずれ「ノン・アルコール・カクテル」を書いたときに)、さらには Bloody - Mary 【ブラッディ・メアリ】 ウオツカ を入れない Virgin - Mary 【ヴァージン・メアリ】 や、ジュースとして売られている Lemonade 【レモネード】Milk - Shake 【ミルク・シェーク。ミルク・セーキ】 なんてのもあります。

 カクテルは「酒と酒とを混ぜ合わせるもの」というのが”常識”。それを打ち破っているのがノン・アルコール・カクテル。
 いや、発想を転換させてみましょう。冒頭の、後者の発想。打ち破ってもいいんじゃなくて、自分たちの自由な発想で・・・”常識”を破ろうと思うから大変なのであって、そもそも
打ち破るべき”常識”なんて最初っからない と考えれば?


 果汁飲料を Juice 【ジュース】 と呼びます。オレンジの果汁が入っているものを Orange - Juice 【オレンジ・ジュース】 と呼びます。では、いろんな果汁を混ぜたものを売るとき、何て呼んだらいいのでしょうか?
 ミックス・ジュースですね(Mixed - Drinks というのがより正しい表現なのでしょうが)。
 これらをバーでは

 Cocktail 【カクテル】

 と呼ぶのですよ。


 カクテルに使う飲料(酒のみにあらず!)に制限はありません。4大スピリッツでも、ウィスキーでもワインでも、ビールでも地酒でも、ジュースでもビターズでも、何でもあり。混ぜればすべて Cocktail !!
 
 Martini 【マティーニ】 もしかり。
Martini 【マティーニ】 という王道のカクテルがあって、『それとは別に』 Martini 【マティーニ】 という名前を付けたカクテルも多々存在しているのです。
 「○○・マティーニ」という名前は、Martini 【マティーニ】 を変形させたものにしか名付けられない・・・などと、一体どこの誰が言いましたか?!

 要するに、

 付けたいと思った名前を自由に付けてもいいのですよ。
 「私はこのカクテルに『ロシアン・ソックス』と名前を付けました」というのも自由。
 「『コウちゃんズ・ギブソン』という名前にしよう」というのも自由。
 「エメラルドが好きだから、『エメラルド・ファンタジー』にしよう」なんてのも自由。
 「大好きな歌手にあやかって、『ラブリー・ケイ』にしよう」でもOK。
 そして、「マティーニという名前が好きだから、マティーニにあやかって、『カンパリ・マティーニ』と名付けました」というのも自由。
 何でもあり。こだわる必要なんてナシ!! 
 自由、自在、気まま、わがまま、奇想、奇天烈、何でもOK。


 Martini 【マティーニ】 に

  終わりはない!!
 



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> 日本人は全く未知のものに出会うと、(中略)変数を変えること(比率)はすぐに思いつくのですが、定数(材料)を変えることはすぐには思いつかないのです。
うーん、それもあると思いますが、むしろブランド保守の意識が材料を変えさせないのでは?

カッコつけにマティーニ頼んだのに、オリーブの代わりにチェリーのデコレで赤いマティーニ(ロッソ使用のスイートマティーニ)だと泣けるじゃないですか。
本当のところはレシピを知らなくてもイメージが先行して、それをありがたがってる部分があるように思います。

実際、フレーバードティの世界では日本でも「カモミールとローズを組み合わせて」などと自由にやってるんですから。
あっちはレシピに特別な名前などなく、好き勝手に配合できる楽しみがあり、こっちは名前自体に意味があって、それを楽しむ、みたいな感じではないでしょうか。


・・・って、のっけから濃いコメント残すと、カクテル初心者の方がコメントしにくくなるかな(汗
2006.07.04 14:16 | URL | 神保銀郎 #- [edit]
 イメージ先行・・・確かにそうですね。カクテルも本来、好き勝手に配合できて、好き勝手に名づけることができるものなんですよ。歴史の年号暗記みたく、答えがひとつしかないわけじゃないんですよね。なのに「名前を知らないから、どれを注文していいのか分からない、聞いても多分分からないような気がする」「レシピを覚えていないと注文できない」「酒の名前を知らないから分からない、難しい」という印象もあるみたいで、ちょっと勿体無いですね。
 チョコレート・ドリンクにクランベリーのリキュールを少し落として、ハーブを飾って「チョコレート・マティーニ」ってのをお菓子の本で見たことがあります。それくらい、「カクテル」とか「マティーニ」という名前はフランクというか、自在なんですけどね。
 前回と今回は最初の思惑と異なって、初心者向きじゃないですね。実のところ、(ブログ内でも何度か登場してもらっている、と言っても本人には無断ですけど)T君に「マティーニって、結局何なの?」って聞かれて、考えながら答えを探っているうちに、だんだん深みにはまってしまったのをそのまま書いてしまったという感じです。なので、いまさらですけど、「全然わかんないや、今回はパス」ってもアリということで。(でもそのうち振り返って、読んでもらえたら嬉しいですけどね)
2006.07.06 19:42 | URL | 倖成 #iqhSIKS2 [edit]


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