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カクテルのアトリエ(8)

Posted by 倖成卓志 on 25.2008 特集 5 comments 0 trackback

 実は、時系列としては逆になります。

 この(8)が最初で、その後に使いきれないカンパリを消費するために(6)のようになり、最後一回分のカンパリを使って(7)となり、Barbarossa 【バルバロッサ】 を作り出しました。
 時間軸のずれに意味はありません。ただ、(8)が主題になる予定だったので、トリに回ってもらっただけです。
  -    Ψ    -    Φ    -    Ψ    - 



 さて、何をしたかというと。

Cocktail - 第22回 新生リキュール(La Liquore Nuva)(前編) で登場した、Negroni 【ネグローニ】のアレンジです。

 レシピをもう一度。

カクテル・レッド

Negroni 【ネグローニ】

 基酒:Gin 【ジン】
 技法:ビルド
 度数:27度
 グラス:オールド・ファッション’ド・グラス

 レシピ
 Gin 【ジン】 30ml
 Campari 【カンパリ】 30ml
 Sweet - Vermouth 【スウィート・ヴェルモット】 30ml


 このカクテルは、てっきり定番だと思っていたのですが、載っていないカクテル・ブックも結構ありました。カンパリ系カクテルを置いてあるバーでも、メニューに載ってない場合もありました。
 このカクテル、非常にクセが強いです。カンパリだけでも厄介なのに、スウィート・マティーニとの結合。よほどのジン好きで、リキュール好きでないと対応できそうにない代物です。


 ジンの定番として使われているのは、



BEEFEATER 【ビーフィーター】
 実のところ、自身では、ジンの中ではあまり好きではない部類に属します。
 香りが「妙に」強く、洗練「されすぎ」ているから? 本当のところ、よくわかりません。相性が良くないだけなのかも。

 それでも、Negroni 【ネグローニ】 に最高に合うジンは、ビーフィーターだと思います。カンパリと、スウィート・ヴェルモットに、まっとうにわたりあえるから。


  -    Ψ    -    Φ    -    Ψ    - 



 今回は、今までに出てきたジンの銘柄が多々登場します。
 ちなみに、スウィート・ヴェルモットは、CARPANO ANTICA - FORMULA 【カルパノ アンティカ・フォーミュラ】でいきます。贅沢です。


(Ⅰ)
 まずは、



BOMBAY SAPPHIRE 【ボンベイ・サファイア】
 「香味」という表現がふさわしい、香りが複雑で、きらびやかな輝きを誇るジンです。そのまま、ストレートで飲んでも、「いける」ジンです。

 これで、ネグローニを作ると?


 ・・・サファイアがひび割れた。

 弱すぎる。
 単独では美しいサファイアも、強烈な二つの個性の前ではかすんでしまいます。具体的には、ジンの味がまるで感じられません。カンパリ&カルパノAF(以下、CAFと略)をちょっと薄めた、ぐらいの感覚。


(Ⅱ)



 BOOLDES 【ブードルズ】
 典型的なジン。特徴がないのが特徴、私見ではもっともカクテル向き、何故って他の素材に牙をむかないから。

 なんか、勝負する前から結果が見えてるような気もしますが、ネグローニへ挑戦状を叩き付けてみますね。


 ・・・瞬殺。
 チョット、マテ。
 CAFじゃなくて、ノイリー・プラットとかマルティニのスウィート・ベルモットにして、カンパリを控えめにすればいけるかも知れないけど、イタリアの二重攻撃にあっさり飲まれた感じ。人が良すぎて、うまく生きていけないタイプ? 


(Ⅲ)



 Tanqueray 【タンカレー】
 「酒は水が命」という言葉がピッタリ合いそうな、非常に喉越しの良いジン。私は「才媛」と表現しています。マティーニにおいてすら、特徴が出ないので、もう問題外なのは分かっているのですが、でも、何か違う結果を期待してもいいんじゃないかな、と。


 ・・・ジゴロに手篭めにされそうになったのを、何とか振り切ってきました・・・
 ジンってこんなに「弱い」お酒でしたっけ?


(Ⅳ)
 だんだん気が滅入ってきたように思えるのは、あくまでも気のせいだと自分に言い聞かせつつ、次へ。



 Victorian Vat Gin 【ヴィクトリアン・ヴァット・ジン】
 現在、常飲しているジンのひとつです。ジュネヴァ(ジュニパー・ベリー)が2倍入っているという、香り高いジンです。近頃、贅沢にも「もっとジュネヴァがプンプン漂うぐらいのジンはないものか」などと思うようになってきました。これなら、かなり「複雑で激しい」ネグローニができそうな予感。


 ・・・かなり「複雑な」心境で、「激しい」後悔を抱いた・・・
 全然、効果なし。思ったよりも、ヴィクトリアン・ヴァットと絡まない。イタリアンが強烈すぎて、木っ端微塵。知らない人に飲ませたら、ジンが入っていることに気付いてくれないかも知れない・・・何なんだ、これは?


(Ⅴ)
 正直、もうムリ。



 BEEFEATER CROWN JEWEL 【ビーフィーター・クラウン・ジュエル】
 もうひとつの、常飲ジンです。ビーフィーターの通常品は、私的には相性が良くないのか、あまり好きではないのですが、こちらのクラウン・ジュエルはその精錬された味わいが好きで、ヴィクトリアン・ヴァットとは別の楽しみ方で飲んでいます。まあ、通常品でネグローニの相性は最高なので、今までよりはマシだと思います。


 ・・・厳重な宝物庫も、イタリアン・マフィアの前には肩無しですか?!

 クラウン・ジュエルがすっきり「しすぎ」で、カンパリとCAFの前には惨敗です。ジンが入っているように思えない。まるっきり、「なんかのスピリッツみたいなもので割ったような気がする」程度の変化。どうにもならない。


 主なもので残っているのは、GORDON'S 【ゴードン】PLYMOUTH 【プリマス】 ぐらいでしょうか。PIMLICO 【ピムリコ】Citadell 【シタデール】 、まだ記事には出てきてませんが、BLACKWOOD 【ブラックウッズ】 あたりも試してみたいのですが、手持ちにないので、残念ながら挑戦できず。

 結局、定番中の定番のBEEFEATER 【ビーフィーター】 の一人勝ちってところでしょうか。まあ、あくまでも私見ですが・・・


 ・・・と、一旦は結論付けて、「これは記事にはならないなあ。封印しておこうか、そのうち『恥さらし』的に書くかも知れないけど」となったはずだったのですが・・・


  -    Ψ    -    Φ    -    Ψ    - 


(Ⅵ)


 結論。

 ビーフィーターよりも・・・凄い。
 カンパリとCAFの強烈さに一向に怯むことなく、激しい三つ巴の自己主張。しかし、不思議なことに、本当に不思議なまでにまとまっている。
 さて、何を使ったかと言うと・・・

FightingCock

 FIGHTING COCK
  【ファイティング・コック】


 製造元は、FIGHTING COCK DISTILLING COMPANY 【ファイティング・コック・ディスティリング・カンパニー】
 度数は、103Proof(51.5度)。

 『闘鶏』という意味の名を持つ、アメリカ・ケンタッキー州のジンです。ラベルにも闘鶏が描かれています。

FightingCock(label)


 このラベルの、下の方をよく見ると、

FightingCock(label2)


 「Made From 100% Grain Neutral Spirits(グレイン100%の中性蒸留酒)」という部分と、もうひとつ着目する箇所は
 「LONDON DRY GIN
 という表示。
 イギリス・ロンドン産じゃなくても、ロンドン・タイプのジンであれば、生産国がどこであろうと、こういう表記になるようです。

 このファイティング・コックというのは、バーボンの会社です。ケンタッキー州。バーボンの名前の由来となったのはバーボン郡。そのお隣にあるネルソン郡に、この会社はあります。そこのバーズタウンで造られています。
 バーボン自体は、その名称とは裏腹に「穏やか」で、初心者向けと言われています。


 何を思ったのか、ジンやウオツカまで造ったようです。酒屋さんでボトルを見るまで、全然知りませんでした。

 ジンとしては、名前の通り「荒くれ」です。これをストレートで飲めたら、誉めてあげたいです。喉が焼けそうなぐらいに荒く、水が欲しくてたまらなくなるぐらいにドギツイです。
 「匂い」というより「臭い」です。かぐわしさのカケラもありません。ジンが苦手な人は絶対に飲んじゃいけません、きっとジンがすごく嫌いになります。BOLS SILVER TOP 【ボルス・シルヴァー・トップ】 に近いような、きっと昔の粗悪なジンというのはこういうものだったのだろうというぐらい、現在では一般には売れそうにないジンです。

 一般には、ね。

 カクテルにするには面白いですよ、見事なまでに協調してくれなくて。強調が激しくて。ハードリカーの「ハード」の意味を忘れちゃった人向け。

 強烈です、強烈です。
 
 イタリアなので、「Negroni ~Gallo che lotta 【ネグローニ ~ガッロ・ケ・ロッタ】」とでも名付けてあげたいぐらいです。

 苦味も、かすかな甘味も、香りも、とにかく複雑で、鋭く、強靭で、何故か妖艶で、心地よくノックアウトされてしまいそう。

 ファイティング・コックとCAFの組み合わせ自体がかなり難易度が高そうですが(ある意味、ジンとヴェルモットの各々の価値観が真逆なので)、機会があれば一度どうぞ。
 

  -    Ψ    -    Φ    -    Ψ    - 



 オリジナル・カクテルの中では家で比較的容易にできる、「アレンジ」を実践してみました。使ったジンの種類がハンパじゃなかったです。
 でも、面白かったです。ジンを変えていくだけで、印象がガラリと変わっていくあたりが(とはいえ、ビーフィーターと闘鶏以外は無惨でしたが)。

 前回つい「ミクソロジスト」なんて単語を出したものだから、そっちにも妙に惹かれるし(家ではかなり難易度が高くなってしまいますが)、ワインの本を読み出したし、不気味なお酒が棚の中で出番待ちしているし、さて次は何を書こうかな。




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なかなか興味深い結果ですよね。
お店、バーテンダーによっても味が違ってくるカクテル。銘柄の相性も関係してくるとは思いますが、ここまで味の印象がちがうとは、非常に面白いと思います。
2008.06.01 15:39 | URL | ルチル #I9hX1OkI [edit]
>ルチルさん

 ジンの違いについては過去にいろいろ試して、これからもまだ試したいジンがいくつか残っているのですが(参照カテゴリー:「雄渾のスピリッツ」「悠久のカクテル」など)、同じ「ジン」と思えないぐらい、クセというか特徴は出てきます。

 ワインやウィスキーには「千差万別」の意識が強くて、産地・原材料の品種・蒸留所、あるい造り手にこだわる人が多いのですが、ホワイト・スピリッツ(無色透明の蒸留酒)も実はひとつひとつがまるで違うものだというのが、このブログにおける「主張」のひとつでもあるのです。
2008.06.05 21:06 | URL | 倖成 #iqhSIKS2 [edit]
実は私もジンが好きで色々飲みました。
(って言ってもこつこつ買っているので、多分10種類位だとは思いますが)

最近はそちらまで予算がまわらなくて買い足すことができてません(T_T)
2008.06.07 22:18 | URL | ルチル #I9hX1OkI [edit]
はじまして
ビフィータのくだり 同感です
このジンをロックで!とか言われるとナンとも悲しい気持ちで出してしまいます
ボンベイ、ゴードンなどは抜群に美味ですが私的にはギルビーが安価の割に好きです
質より量で。
それはそうとキャプテンジンって知ってます?
昔安いので注文しましたが どうにも使えず在庫になってしまいました…ソーダで割ってもイマイチ…フレッシュでいただいてギリギリ…ストレートだと まったくジンではないのですが…何かアドバイスをもらえたらお願いします
2009.06.13 18:00 | URL | #NtRqAjek [edit]
 コメントありがとうございます。キャプテン・ジンのことはよく知らないですが、某所のテイスティングによれば「香りナシ、キレナシ、コク弱」らしいので、正直ムリ(笑)。アンゴスチュラ・ビターズのジン&ビターズでいくか、冷凍庫でギッチリ凍らせるか、そんなとこでしょうか。ヴェルモットで割ってマティーニが定番なのでしょうけど(参考にならないかも。すみません)。
2009.06.20 20:45 | URL | 倖成 #iqhSIKS2 [edit]


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