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Cocktail - 第31回 王者の贈り物(The Gift of the Prince)(その4)

Posted by 倖成卓志 on 20.2008 悠久のカクテル 0 comments 0 trackback
コーヒーカップ(ホット)
Prince - Charles - Coffee 【プリンス・チャーリー・コーヒー】

 基酒:Scotch 【スコッチ・ウィスキー】
 技法:ビルド
 度数:4度
 グラス:アイリッシュ・コーヒー・カップ

 レシピ
 Drambuie 【ドランブイ】 3/4oz.
 Hot black coffee 【ホット・ブラック・コーヒー】 5oz.
 Whipped cream 【ホイップ・クリーム】 1 + 1/2oz.
 Sugar 【砂糖】 1tsp.

 「チャーリー王子のコーヒー」です。ドランブイを使っているので、誰のことなのかは、もういいですね。
 コーヒーにウィスキーを足らして、気付薬の代わりにすることはよくあります。レイモンド=チャンドラーの『長いお別れ』でも、早朝に憔悴した様子で唐突に現れたテリーに対して、マーロウがまずはバーボンを飲ませて少し落ち着かせ、それから”演技”と自称しつつ作る熱々のブラック・コーヒーにバーボンを入れて飲ませてあげるというシーンがあります。それの類型ですね、これは。
  -    Ψ    -    Φ    -    Ψ    - 



 さて、スコットランド人の衣装としても最も特徴があるのがタータン柄のスコッチ・キルトですが、それを着たときに前に掛けるバッグがあります。ポーチのようなもの、と言った方が分かりやすいかも知れませんね。
 それは Sporran 【スポーラン】、といい、ゲール語で「財布」という意味でもあります。
 スポーランは小物入れと、キルトの前面がまくれ上がらないように押さえつけておくという目的で使われます。普通は革製で、正装では毛皮製、馬の尻尾の毛を使ったものはバグパイプ演奏者か軍人用、というように用途が分かれているようです。

  -    ☆    -    ☆    -    ☆    -    ☆    - 


Sporran
Sporran 【スポーラン】

 基酒:Scotch 【スコッチ・ウィスキー】
 技法:シェーク
 度数:25度
 グラス:カクテル・グラス

 レシピ
 Scotch 【スコッチ】 1/4
 Alize [Gold Passion Liqueur] 【アリーゼ [ゴールド・パッション・リキュール]】 1/4
 Crème de Pêche 【ピーチ・リキュール】 1/4 
 Crème de Menthe (Green) 【ペパーミント・リキュール(緑)】 1/4
 Lemon - Juice 【レモン・ジュース】 1tsp.

 最後にミント・チェリーを飾ります。
 あいにくミント・チェリーを切らしてしまいました。いつも購入している店でも運悪く在庫切れ。他のお店を探してもちっとも見つからず。意外と手に入りにくい代物と実感してしまいました。

 桃とパッション・フルーツで作り出される特有の甘みは、それだけでは甘ったるく感じられてしまうのですが、基酒のスコッチとレモン・ジュースのアクセントとがうまく締めてくれています。ミントの強い香りもそれほど気になりません。


 次のようなカクテルも存在していますが、こういうのが冗談半分、真面目半分な点がカクテルの面白いところでもあるわけでして。いったい誰が考えたんだ、こんなの、旨いかまずいか、そもそもどんな味なのかも分からんぞ、と思ってもらって結構です。作りたいとも思わないけど、1回だったら飲んでみてもいいかな。

  -    ☆    -    ☆    -    ☆    -    ☆    - 


Old - Moorhen's - Shredded - Sporran
【オールド・ムーァヘン’ズ・シュレッデッド・スポーラン】


 基酒:Scotch 【スコッチ・ウィスキー】
 技法:シェーク
 度数:15度
 グラス:オールド・ファッションド・グラス

 レシピ
 Scotch 【スコッチ】 1oz.
 Drambuie 【ドランブイ】 1/2oz.
 Mandarine Napoleon [Orange Liqueur] 【マンダリン・ナポレオン [オレンジ・リキュール]】 1/2oz.
 Parfait - Amour [Orange Liqueur] 【パルフェ・タムール [オレンジ・リキュール]】 1tsp.
 Pineapple - Juice 【パイナップル・ジュース】 2oz.
 Guava - Nectar 【グアヴァ・ネクター】 1oz.
 Alize [Gold Passion Liqueur] 【アリーゼ [ゴールド・パッション・リキュール]】 1/4oz.
 Crème de Pêche 【ピーチ・リキュール】 1/4oz.
 Crème de Menthe (Green) 【ペパーミント・リキュール(緑)】 1/4oz.
 Lemon - Juice 【レモン・ジュース】 1/4oz.
 Syrup de Amande 【アーモンド・シロップ】 1tsp.

 「雌アカライチョウで作った、ボロボロになった古いスポーラン」という意味です。
 「アカライチョウ」は「ライチョウ」に近い種類(ライチョウそのものではない)の、イギリス特産の鳥です。イギリスでは狩猟用のありきたりの鳥です。ただし、日本では「ライチョウ」は特別天然記念物に指定されているので捕獲は禁止されています(文化財保護法第109条2項)。ただし、エゾライチョウはライチョウに近い種類なので、捕獲は禁止されていません。ちょっとややこしいですが。
 
 カクテルの名前の元になっているのは、家庭で何年も使い続けているスポーランということでしょうか、それにしても味や香りに想像が付かない。まあ、パルフェ・タムールやアリーゼはまだしも、ベルギーのマンダリン・ナポレオンとか、グアヴァのネクターとかアーモンドのシロップなんて日本で手に入るのでしょうか、調べてませんが。
 ちなみに総計では「6oz.≒168ml」ですが、「1oz.≒30ml」→「6oz.=180ml」とした方が計算はしやすいです。どちらにせよ、ダブル・カクテル・グラスじゃないと追いつかない量になってしまいますが。
 それにしても複雑なレシピですこと。

 いや、話は反対なのかも知れない。
 かつて、Singapore - Sling 【シンガポール・スリング】をラッフルズ・ホテルが創作したとき、8種類もの材料を使うレシピだったためか、あまり世間には広まりませんでした。後にハリー=クラドックが簡素化したレシピを考案し、これによって世界中のバーがこのカクテルを出せるようになったと言われています(広まったがゆえに「オリジナルのレシピでなければシンガポール・スリングとは言えない」などと主張して、ラッフルズのレシピを知らないバーテンダーを貶す人が出てきたことは、皮肉なことでしょうか)。
 スポーランのレシピはNBA(日本バーテンダー協会)のものですが、もしかすると、アカライチョウ・スポーランのレシピを見た誰かが、これでは難しすぎるものの無視するのも勿体ないと思い、要点だけを抑えた簡素化レシピを作りだしたのかも知れません。ドランブイも外してしまったのは残念ですが。


  -    Ψ    -    Φ    -    Ψ    - 



 さて、季節は少し戻って秋の話になりますが、日本では公園などで「躑躅 【つつじ】」をよく見かけます。スコットランドの荒野でよく見かける花といえばヒースです。
 Heath 【ヒース】というのは、元々は荒地という意味で、ここに咲く野草を表す言葉でもあります。学名をエリカといい、普段はこの名で呼ばれ、「ヒース」はイギリス特有の呼び方です。スコットランドを代表するツツジ科の花の総称でもあります。
 Emily Jane Brontë 【エミリー=ブロンテ】は、その唯一の長編作『Wuthering Heights 【嵐が丘】』の中で、この花を比喩的に使っています。『嵐が丘』と呼ばれる館の周りにヒースが咲き乱れているのですが、かつてここの館の主が孤児を拾い、その子に「ヒースの崖」を意味する「Heathcliff 【ヒースクリフ】」という名を与えるのです。荒野の野草をイメージさせるその名が象徴するがごとく、荒れ狂う感情の元に、大いなる悲劇が起こるのですが・・・。

  -    ☆    -    ☆    -    ☆    -    ☆    - 


Summer - Heath
Summer - Heath 【サマー・ヒース】

 基酒:Scotch 【スコッチ・ウィスキー】
 技法:シェーク
 度数:32度
 グラス:カクテル・グラス

 レシピ
 Scotch 【スコッチ】 4/5
 Crème de Cassis 【カシス・リキュール】 1/5
 Drambuie 【ドランブイ】 1tsp.
 Lime - Juice 【ライム・ジュース】 1tsp.

 最後にパール・オニオンを飾り、ミントの葉を添えて出来上がりです。そういえば、パール・オニオンも切らしてた、あんまり使わない代物ですけどね。
 1989年の第4回スコッチ・ウィスキー・カクテル・コンクール第1位の作品です。作者は岸久氏。
 ちなみに、「サマー・ヒース」なる花や呼称はないようです。これは創作者が「夏に咲き乱れるヒース」をイメージして作った言葉のようです。
 比率を、3/6:2/6:1/6:1tsp.とする場合もあります。

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カクテル・レッド
Erica 【エリカ】

 基酒:Scotch 【スコッチ・ウィスキー】
 技法:シェーク
 度数:30度
 グラス:カクテル・グラス

 レシピ
 Scotch 【スコッチ】 1/2
 Crème de Cassis 【カシス・リキュール】 2/6
 Grapefruits - Juice 【グレープフルーツ・ジュース】 1/6
 Syrup de Grenadine 【グレナディン・シロップ】 1tsp.
 Lemon - Juice 【レモン・ジュース】 1tsp.

 最後にミント・チェリーを飾り、カスミソウを添える。
 そうか、これもミント・チェリーだったか、と、今回は作らなかったので気づきませんでした。フルーティーさではエリカ、酒精と甘酸っぱさを感じたいならサマー・ヒース。もっとも、冬よりも夏向けのカクテルですね。


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 スコットランド関連のカクテルを補足のような形で入れてみました。
 あいにく切らしていた小物の材料を使うものが多かったのが失策。入荷まで待とうかとも思いましたが、いつになるか分からないようだったのと、記事としては連続ものだったのでまとめないと次に進めなくなってしまうため、少々強引に進めてしまいました。
 今年もあとわずか。
 「酒は静かに飲むべかりけり」と言ったのは若山牧水ですが、酒を楽しく飲むヒントを、これからも書き綴っていきたいものです。

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