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酒の飲み方エトセトラ(その1)

Posted by 倖成卓志 on 10.2009 言いたい放題 0 comments 0 trackback
白玉の歯にしみとほる秋の夜の
酒は静かに飲むべかりけり

酒のためわれ若うして死にもせば
友よいかにかあはれならまし

夜為事のあとを労れて飲む酒の
つくづくうまし眠りつつ飲む

鉄瓶のふちに枕しねむたげに
徳利かたむくいざわれも寝む

妻が眼を盗みて飲める酒なれば
惶てて飲み噎せ鼻ゆこぼしつ

それほどにうまきかと人のとひたらば
なんと答へむこの酒の味

酒ほしさまぎらはすとて庭に出つ
庭草をぬくこの庭草を
(若山牧水)
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 人はなぜ酒を飲むのか。この命題に簡潔に答えるのは難しいです。

 「なぜ山に登るのか」と聞かれて「そこに山があるから」と答えたのは、登山家のジョージ=マロリー(George Leigh Mallory)。
 (1923年3月のニューヨークタイム誌。より正確には「なぜ死ぬかも知れないほど危険なのに、エベレストに登ろうとするんですか?」と問われて、「Because, it is there.」(そこに山があるから)と答えたものです)
 しかし、「なぜ酒を飲むのか」とと問われて、「そこに酒があるから」というのはあまり格好いいものではありませんね。アル中疑惑が付きそうですね、そんな回答。

 最も単純に答えるとすれば、「旨[うま]いから」。
 そこに、楽しいからとか、疲れを癒してくれるからだとか、憂世の辛さを一時忘れさせてくれるからとか、様々な理由がくっついてくるわけです。でも、やはり「旨いから」と答えるべきでしょうね。

 ところが、「旨いから」という答えが一般にすんなり受け入れられるかといえば、そう簡単にはいかないようです。「なぜケーキが好きなのか」と問われて、「旨いから」「美味しいから」と答えることと、酒の場合とどこが違うのか。ケーキが好きだということで、世の中から変な目で見られることはあまりないでしょう(近頃では男性が甘いものを口にすることも異端視されなくなってきてますし)。しかし、酒が好きだというと、変な目で見られることがあります。それは、「酒を飲む」=「酔っぱらい」の図式があるからでしょうか。ケーキの食べすぎで暴れ回るという人はあまりいませんが、酒を飲んで酔っ払って暴れまわるという人が大勢いる。「旨いから」と言って飲んでる人を、飲まない人は「酔っぱらい」、「絡み酒」などという姿に直結させてくる。

 もっとも、次のことは断言できますね。

 節度のない酔っぱらいは嫌われる!

- ☆ - ★ - ☆ - ★ - ☆ -


 「酒は飲んでも飲まれるな」という言葉がありますね。
 酒を飲んで楽しくなるのは結構。でも、酒に溺れて酒を飲まずにいられなくなったり、何でも酒のせいにしたりすれば、これはよろしくありません。
 また、『酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律』(S36.6.1制定)の第2項に「すべて国民は、飲酒を強要する等の悪習を排除し、飲酒についての節度を保つように努めなければならない」とあります。
 これは、いわゆる「飲めない人にむりやり飲ませること」や「一気飲みの強要」も法に触れるということ。酒を飲ませる側にも節度が必要ということです。

 ツヨポンの事件について私見を述べるならば、当人の行為は確かに法(刑法、あるいは軽犯罪法。及び、迷惑防止条例など)に触れています。直接誰かに迷惑をかけたわけではないものの、社会秩序を乱す恐れがあるとして罰せられたのは当然の話。ただ、それに対して一部の偉い人やマスメディアなどの、まるで極悪犯罪人のごとき扱いはどうだったのだろう。某知事や某作家さんが弁護したように、騒ぎすぎの感がありましたなあ。じゃあ、信号無視とか立ち小便とかはどうなるの? あれも厳密に言えば犯罪ですよね? マスメディアがそういうものに対してキャンペーンを張ったのって見たことがないような気がするのですが。
 復帰後の印象は、仲間やファンの方々がすごく冷静で大人だった。ああ、良かった、というのが正直な感想。
 まあ、あまり格好のよいものはないので、節度は保ちましょう。負であろうとこれも経験で、ここからステップ・アップしていけばいいのですから。見ている人たちも、決して他人事とは言い切れませんよ。

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 アルハラ。
 「○○ハラスメント」という造語の仲間で、「アルコール・ハラスメント」。
 先に挙げた「無理やり飲ませる」や「一気飲みの強要」もこれですね。他には、酔った勢いで異性の体を必要以上に触ったり、飲めない人に嫌がらせをしたり。何でこんなことが起きるのかというと、酔っぱらいは酔って気が大きくなり、「自分は何をしてもいい」とでも思うのかしら。「自分は楽しい」=「相手も楽しい」という構図を勝手に持っているのなら、それはアルコールではなく、人格の問題ですね。
 「愛飲家」と「アルハラ」は一見すると相関関係にありそうなのですが、実は敵対関係にあります。乱暴な言い方をすれば、愛飲家は酩酊し、自らの意識を冒し、時に気分が悪くなってしまうこともある。これは自分に暴力を振るっているようなもの。それに対しアルハラは、自ら酩酊するところまでは一緒でも、相手に暴力を振るい、相手の気分を害し、しかもアルコールのせいにしてくる。つまり愛飲家にとってアルハラとは、アルコール(酒)の価値を不当に貶める『敵』なのです。この部分が分からないと、ビール会社などがアルハラや飲酒運転などの撲滅運動に力を注いでいる理由が分からないと思います。明らかに、その人の人格、品性の問題なのに、「酒のせいだ」と言ってのける。
 敵対関係と言ったのはそういうわけです。


 ★豆知識。
 お酒の飲める人を「上戸」(じょうこ。うえと、じゃないです(笑))、飲めない人を「下戸」(げこ)ということがありますね。これはいくつかの説があるのですが、

 説1:奈良時代の大宝律令。成人男子が3人以下の家を「下戸」、4人か5人なら「中戸」、6人以上なら「上戸」と呼び、冠婚葬祭などで、生活の豊かな上戸では酒を振る舞うことができたが、貧乏な下戸ではそれができなかった。それがいつしか、「上戸」=「酒が飲める」、「下戸」=「酒が飲めない」となったとするもの。

 説2:古代中国、秦の始皇帝の時代。万里の長城を守る兵士たちは、長城の上の場所(上戸)と、下にある入り口(下戸)の二手に分かれていたが、上に立っているのは寒いので特別に酒が振る舞われた。これが、「上戸」=「酒が飲める」、「下戸」=「酒が飲めない」となったとするもの。

 まあ、どっちでもいいんですけどね。ただ、上戸の気持ちは下戸には分かりづらいし、下戸の気持ちも上戸には分かりづらいのは確かなこと。
 でも、たとえ理解できなくても嫌がられるのは好ましくないはず。そこで必要なのは節度かな。

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 では、酒飲みの節度とは?
 冒頭に掲げた若山牧水の詩。「酒は静かに飲むべかりけり」の部分は有名ですね。時折、こんなことを言う人がいます。
「バーでは酔っ払ってはいけない」
 正確には、オーセンティック(正統派)なバーではたとえ酒を飲んだとしても、はしゃいだり、酔い潰れるのは礼儀に反するのでやってはいけない、ということです。そうである方が望ましい。人に迷惑をかけないというのがひとつと、『酔』の境地へ静かに身をたゆたえる楽しみを味わうというのがひとつ。
 でも、これも場所によりけりです。隣の人のしぐさが見えないほどに薄暗い場所であれば、そこへ来ている人は静かな雰囲気を求めてやってきているのです。迷惑をかけてはいけません。実際、イングランドでは隣の人の顔が見えないほどに灯りを落としているバーほど品格があり、人気があるといわれていました。まあ、現在ではかなり変化していますが、そう言われた時期もあったのです。
 現在では、むしろ多少はしゃいでもいいという(もちろん限度というものがありますが)バーも増えていて、居酒屋や居酒屋チェーン店ではあまりに野暮ったいけれどオーセンティックなバーでは敷居が高すぎるという、若い世代などに人気があるようです。それでも、必要となるのはやはり節度でしょう、他人に迷惑をかけない程度の。

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 ところで、一昔前までは、父親の夢のひとつとして「いつか息子と酒を飲みたい」というのがありました。現在ではかなり減っているように思えます。なぜでしょう。
 ここでひとつ情報。若い世代、特に20代から30代の酒飲み人口の比率が、それまでに比べてかなり減っているということが上げられます。法を犯して20歳前から飲酒するような人間は、これまた品性の問題なので除外するとして、そうではなく、20歳になったから酒を飲もうというのが目標となる人が減ってきているということ。
 これは、なぜでしょう。

 まず、父親の飲酒の機会がかなり減っているということ。不況のせいのみならず、家庭において父親の威厳というものが失われているからでしょう。この理由を、女性の社会進出や、あるいは情報の多様化によって父親像に絶対的な畏敬の念を持つことがなくなってきた、などが上げられるのでしょうが、私は「三億円事件」も上げておきます。「三億円事件」とは1968年、東芝府中工場の従業員にボーナスとして支払われる予定だった約三億円を積んだ、日本信託銀行国分寺支店の現金輸送車が、白バイ警官に扮した犯人にまんまと奪われた事件のことです。この事件が起きた当時の三億円は、一般の人が想像もつかないような大金で、しかも犯人が捕まらなかったことでも有名になったのです。これ以降、会社から従業員への給与の支払いは、それまでの現金から、銀行振り込みへと変わったのです。つまり、給料日になると父親が現金の入った封筒を持ち帰り、母親がそれを頂いて子供たちに「あなたたちが暮らしていけるのはお父さんのおかげなんだよ」と言う。そして「お疲れ様でした、さあ、ビールをどうぞ」とお酌する。あるいは子供が「ボクに注がせて」としゃしゃり出てくる。そんな光景があったのです。ところがそれがなくなった。さらに、母親もパートタイムで給料を稼いでくるようになった。母親が子供が目の前にいるにも関わらず父親に対し「ゴロゴロ寝転がってばっかり」「ホント、役に立たないんだから」「ビール? 何言ってるのよ、ろくに稼いでこないくせに」などと言いだす。父親が酔っ払って帰ってきて、母親から頭ごなしに怒鳴られている姿なんて見てしまったら、ますます父親と酒を飲もうなんて気は起きませんよね。結果、子供も「ははん、オヤジなんてろくでもないな」などと見下すようになっても不思議ではない。そんな父親に「どうだ、一緒に酒を飲まないか」と誘われても、まあ、いい気はしませんわな。
 もちろん、他に理由がないわけではないのですが、父親が酒を酌み交わす息子に対して、酒を飲む上での節度とか、決まり事とかを教える機会がグンと減ってしまったわけです。父親を敬うということを、すぐに男尊女卑と結び付けようとする人たちがいますが、それはとんでもない話で、子供というものは本来、父親を畏敬し、母親を敬愛し、その大切さが分かれば、やがては先生や目上の人には礼儀正しく接し、目下の人や弱い立場の人を守ろうとしていく。それを成長といい、あるいは社会人になるということなのです。当然、逆も言えるわけで、家の中のことをしてくれている母親に感謝するよう子供たちに教えるのは父親の役目のはずです。また、母親が外でお金を稼いで来れば、そのことを感謝するよう子供に諭すのも父親の役目でしょう。父親と母親、そこに役割分担はあっても区別などはなく、子供に教えるえるべきことを教えていくということ。それができていないのならば、子供が外見上のみ大きくなったとしても、それは子供のままと言われても仕方のないことでしょうな。

 ですから、提言です。
 まずは父親。酒は適度に控えてください。しょっちゅう、浴びるように飲んでいては、家計を支える母親としても困りもの。子供も、酔った姿か気の抜けた姿しか見せてくれない父親に、感謝や畏敬の念などもてるはずもないのです。上手に飲んでください。もしかして、上手な飲み方が分からない? そんな人は、勇気を振り絞って年配の方を訪ねてください。
 そして母親。子供たちに対して、無条件に父親を信奉させる必要はありません。あなたは家庭を支えている貴重な存在であっても、家族たちの奴隷ではないのですから。ただ、普段はどんな接し方をしていようとも、たとえば父親がビールを飲む日には口を出さないで欲しいものです。その日はあなたが定めて結構です。男がこういうものを定めようとするとろくでもないことになるので。約束して守らなければ、おかず一品減らしの刑などを執行する権利はあなたにありますから。
 もっとも、ここで「父親」「母親」と表していますが、家での立場によって変えればよろしい。父が主夫で母が働き手であれば逆になりますし、父と母がほぼ同格であれば、どちらのことも子供たちに教えていけばいいだけの話。子供というのは、大人が考えているよりもずっと大人のことを見ています。父は母を、母は父を、あるいは親が年配の人などを尊敬している姿を見れば、そのことも学び取るものです。こういったことを、学校で教えるのには限界があります。知らず知らず心に植え付けられていくものですからね。
 教えない、というのが最もしてはいけないこと。だいたい、分別がなかったり弁えのなっていない子供は、親がどんな人間なのかおおよそ想像が付きます。「子は親の鏡」は真実ですよ。

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 酒を飲むうえの節度について書いているうちに、何だか別の方向になってしまいましたが、まあ書いているうちに思ったことなので、そのままにしておきます。
 次回は、もっと柔らかい話を載せていく予定です。酒飲みの楽しみや、酔っぱらいのジョークなどもそれなりに。
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