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Whisky - その9 クランの絆(Of Clan Bondage)

Posted by 倖成卓志 on 04.2010 至福のウィスキー 0 comments 0 trackback
 人の集団として最小単位といえば、『家族』でしょう。
 親と子、子の夫婦と孫、といったように純然たる血縁関係によって構成されている集団と言えます。

 父の父の、父以外の子の子は何と言うでしょう。
 面倒な言い方をしましたが、要するに父の兄弟から生まれた子のことです。そうですね、従兄弟【いとこ】ですね。これは、自分(a)の父(A)と従兄弟(b)の父(B)は、同じ父(Z)から生まれている(つまり祖父は(Z)という同じ人物)ということで、自分(a)と従兄弟(b)とは直接の血縁で結ばれた家族ではないけれど、確かに同じ血族であるといえます。
 こうした集まりが『血縁集団』とか『親族集団』などと呼ばれるものです。親子や親族だけで経営しているような同族企業とか零細企業を想像すると分かりやすいかも知れませんね。

 このように、直接確認できる繋がりとは別に、「実は遠い血縁関係にあります」という人たちで構成される集団というのもあります。『出自集団』と言われるもので、祖先が同じ場合がこれに当たります。
 自分(a)の子孫(α)と、従兄弟(b)の子孫(β)が、それぞれに父方の先祖をたどると(Z)なる人物に行きつく。逆に、(Z)から男の子孫をたどっていくと、(A)と(B)が生まれて、子孫(α)と子孫(β)は実は血族であると判明する。こんな具合です。
 そして、父方あるいは母方の一方から探り当てられ、その子孫たちで構成されている集団を『単系出自集団』といい、父方でたどる場合を『父系出自集団』、母方でたどる場合を『母方出自集団』と言います。
 また、父方や母方の一方だけに限定しない場合には『共系出自集団』という呼び方をします。


 一方で都市部では、血族によらない『地域集団』や『近隣集団』といった集団が社会を構成し、人的結合が薄いことが問題視されつつも、それを補うためのコミュニティーが常に模索され続けている状態です。
 簡単な例でいえば、みんなで環境問題を話し合う会を設けたり、趣味を同じくする人たちで集まるなど。

 核家族化だの、コミュニケーションの断絶だの、隣の人がどんな人だか知らないだのと言ったところで、結局、人は誰かと何らかの繋がりがあることを求め続けていると言えるでしょうね。それが血縁に始まり、住む場所に行きついて、今はその距離感がないだけの話。
 たとえば、日本の奥飛騨に住んでいる人と、フランスのランスに住んでいる人と、カナダのシャーロットタウンに住んでいる人とが、共通の趣味を持つお友達だと言っても、今では不思議には思われませんね。インターネットで築き上げられる新しいコミュニティーには、新たな集団定義が必要となるでしょう。
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Ancient Clan

ANCIENT CLAN
【エンシェント・クラン】


製造元:Tomatin 【トマーチン】蒸留所
度数:40度


 一方で、昔ながらの血縁集団が維持されている地域もあります。
 氏族、と呼ばれる集団です。英語では通常、『Clan【クラン】』と呼ばれています。厳密には、先の例に挙げたように血縁関係が把握できるものを『Lineage【リニエッジ】』、明確な血縁関係にはないけれど信仰上で同じ子孫であると称している集団を『クラン』と定義しているようです。
 信仰上、というのは、たとえば日本でいえば「スサノオノミコトの子孫」であるとか、北欧であれば「大神オーディンの末裔である」のようなものです。たとえ系譜があっても信憑性はそれほど確かではなく、自分たちがそうだと信じているというものを表します。
 なぜそうなるかというと、北欧などではクランと呼ばれる血縁集団が根強く残っていて、それが英語圏からすれば「宗教的な繋がりで造られている集団」とみなされているからではないのでしょうか。

 スコットランドの、特にハイランド地方では、現在でもクランが構成されています。
 つづりは「clann」で、元々は「子供たち」という意味で、いわば『出自集団』です。しかし、時代を経て、それぞれのクランが他のクランと結び付いて新たなクランが形成されていくと、系譜のあやしげなクランもいつしかその中に組み込まれるようになってしまい、厳密な意味での『出自集団』とは言い切れないクランも存在しているようです。
 それでも同じ出自であるということで、その結びつきは非常に強く、18世紀ごろには一旦は解体され分裂してしまいます。しかし、その結びつきを完全に断つことはできず、時を経て徐々に復活し、限定的ではあるものの現代にまで生き残っています。

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 「古い氏族」という名の、スコッチ。ブレンデッド・ウイスキーです。
 ラベルには、

Ancient Clan(label)

 The Ancient Clan Blended Scotch Whisky is created using some of natures greatest treasures - the clean fresh Highland air of the Monadhliath Mountains , clear pure water from the Allt - na - Frithe burn and some of Scotland's world renowned barley.

Using natures's tools the master blender at the Tomatin Distillery has created a truly magnificent blend , which the Ancient Clansmen of Scotland would be proud of.

 とあります。
 細かくは訳しませんが、部分的に見れば、造っているのはトマーチン蒸留所。
 さらに、Monadhliath Mountains という名前が出てきますね。これはハイランド地方の東寄りにあるモゥナリア山脈のことで、標高900メートル程度の低い峰が連なり、その南にはスペイ河があります。ちなみに、この山脈の北側にあるのがグレン・モア渓谷です。

 トマーチン蒸留所はこちら。


View Larger Map

 ちなみに、A9で北西へ上がっていくと、ハイランド唯一の都市であるインヴァネスに到着します。というか、逆ですね。インヴァネスからA9に乗って、南東へ下ると蒸留所へ行くことができます。

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 ウィスキーとして安い部類に入るでしょう。
 正規輸入品で1600円、ディスカントショップに行けばもう少し安く、1000円ちょっとで買えるところもあります。
 トマーチンをキー・モルト(主となるモルト)として、熟成5年以上の24種のモルト及びグレーンを使っているとのこと。

Ancient Clan(glass)


 すぐに分かるのは、その味わい。
 いわゆる「nutty【ナッティ】」。ナッツのような味と香りがします。他には、かすかですがバニラのような香りとオイルっぽさ。甘みもわずかに感じられて、スルリと飲める感じ。香りもサッと消え去る。でも、物足りなさは感じません。これだけで味わうというより、食事とともに飲むウィスキーだと思います。

 コスト・パフォーマンスは高いと言えるでしょう。
 淡々としたものに飽きてきたけど、値段が高いものは買いづらいし、安いものはあまり美味しそうな気がしない・・・という方は、挑戦してみるのもいいかと。クセになってはまるようなタイプのものではないかも知れませんが、この味が好みなら常備してもいいかも、という一品。


 最後に、余談の余談。
 トマーチン蒸留所の筆頭株主は宝ホールディングス株式会社(宝酒造)で、約80%を保有していて、トマーチンの輸入を行っていますが、どういうわけかこのエンシェント・クランの輸入業者(正規代理店)は国分株式会社です。何故なのかは分かりません。
 もっとも、酒の世界ではよくあることで、たとえばジンのBeefeater【ビーフィーター】の輸入業者はサントリーですが、Beefeater CrownJewel【ビーフィーター・クラウン・ジュエル】の有限会社ウィックというところです。

 ディスカウント・ショップで、5年ものや8年もので1000円を切るようなものを見ると、つい「どうせ大したものじゃないんだろ」と思ってしまいがちですが、ちょっと試しにと手を出してみると、意外な発見があるかも知れませんよ。





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