カクテルといえば、Spirits 【スピリッツ】 ですね。

 まずは4大スピリッツのおさらい。
スピリッツというのは蒸留酒のことです。その名の通り、穀物や薬草などを発酵させてできたお酒(これは醸造酒ですね)を、蒸留してアルコール度数を高めたものです。

 ・・・と、醸造酒と蒸留酒の関係も大雑把に解説しちゃいましょうか。いえね、以前にクイズ番組で「日本酒やワインは醸造酒。では、ウィスキーやブランデーのことを何というでしょう?」という問題があって、思わず「ナメとんのんか?」と思ってしまったもので。問題の難易度のことじゃありませんよ。この方面(ようするに酒)に興味のある人ならともかく、そうでない人はこういう分け方を教科書的に暗記してるのかなと思ったら、何となく寂しくて。

 大麦を発酵させます。何ができますか?
 ビールですね。で、ビールを蒸留させます。専用の器具の説明なんてしだすとキリがないので省略しますが、コレで出来上がるのは何でしょう。
 ウィスキーです。何でこんな説明をするかと言うとですね。以前に、誰に聞かれたのか覚えてないのですが、
「ビールって麦から作るんだよね。ウィスキーも麦から作るんだよね。何でこんなに違うの?」
 という質問を受けたからです。で、これはいったん置いといて。
 次。
 ブドウを発酵させます。ワインができますね。で、ワインを蒸留させると? ブランデーです。
 何が言いたいかというと、お酒の種類を「名前だけ」全部覚えても仕方ないってことです。ピンポイントで、名前だけ、1番から10番まで覚えましょう的、だから「教科書的暗記」。それって、楽しい?
 「ビールは若者の飲み物、ウィスキーはオジサンの飲み物」というイメージがありますが(これに対する反論というか怒りは後々書くとして)、どっちも麦から作られているなら納得できませんか? 根本は一緒なんですね。若い頃は、出来立ての醸造酒であるビールをがっぱがっぱ飲んでいて、年を重ねて人間的に熟成されてくると、蒸留され濃縮されたウィスキーをじっくりと味わう。

 麦 → ビール → ウィスキー
 ブドウ → ワイン → ブランデー
 どうせ覚えるなら、こういう関係だよというラインで覚えちゃいましょう。


 で、ようやく本題の一歩手前です。
いわゆるスピリッツは、ウィスキーやブランデーなどを除いた蒸留酒の総称です。中でも世界の4大スピリッツといえば、
 │
 ├ Gin 【ジン】
 │
 ├ Vodka 【ウオツカ】
 │
 ├ Rum 【ラム】
 │
 └ Tequila 【テキーラ】
 です。

 ここでしつこく念押し。「教科書的暗記」はしないでね、ということです。4大スピリッツの種類を覚えるという程度ならいいんですが、例えば「Jose Cuervo 【ホセ・クエルヴォ】 は何?」「えーと、テキーラ」「じゃあ、Lemon Hart 【レモン・ハート】 は?」「あれは確か・・・ラム、だっけ?」などという(教科書的というよりクイズ的?)覚え方はお勧めできませんね。まるで「覚えないといけない」みたいで。とりあえず飲んでみて、美味しいと感じたところから情報を広めていけばいいんです。「へ〜、そうなんだ」「そんなのがあるんだ」という興味本位の感覚って、決して嫌いじゃありません。


 で、ようやく本題の本題。
 Gin 【ジン】
 有名なものとしては Beefeater 【ビーフィーター】 、Tanquary 【タンカレー】 、そして

GORDON’S

 GORDON'S 【ゴードン】

 Barで、ジンを何種類か置いてある場合、たいていこの3種が揃っていますね。ゴードンは2種類あって、40度のものと、47.3度のものがあります。これとはまた別に、英国国内販売向けの緑ボトルがあるのですが、当然、日本国内にはありません(断言して大丈夫だと思うんですが。ベルギー国内で契約レストランにしかないはずの SIMAY【シメイ】 黒が楽天にあったりするからなぁ・・・)。
 創業者は Alexander Gordon 【アレキサンダー=ゴードン】。1769年創業当初は、ロンドンのテムズ川南岸に醸造所を置き、後にゴズウェル街に移り、1898年には Charles Tanquary 【チャールズ=タンカレー】 社と合併しました。名前を Tanquary Gordon & co. ltd. 【タンカレー=ゴードン】 社と改めます。そう、実はゴードンとタンカレーの現在の製造・販売元は同じなのです。そして、Royal Warrants 【ロイヤル・ワラント(英国王室御用達)】 でもあります。
 1997年のインターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション、スピリッツ部門のジン・グループでゴールドメダルを受賞しています。
 まあ、こういった権威があるということで。

 権威うんぬんは置いといて。
 Martini 【マティーニ】 では一番人気ですね。ストレートや、あるいは他のカクテルだったら
「やはり一流はビーフィーターだろ」
「タンカレーの素晴らしさが分からないなんて、可愛そうなヤツだなあ」
「男は黙ってプリマス・ジンだ」
 というこだわりを見せる人たちでも、
「ここだけの話。マティーニだけはゴードン」
 という方たちを知っている(ま、ごく少数ですけどね)。
 ゴードンのストレート、あるいはゴードンの Gin & Bitters 【ジン&ビターズ】 が好きという人が他に比べて少ないのは、単に「ゴードンはマティーニ」という意識が強すぎて、ストレートで飲まないだけじゃないかなぁ、と思いますね。
 今回(というか正確には1ヶ月半ほど前まで)このゴードン・ジンでいろんな飲み方を試してみて、力強さと繊細さを感じさせられた印象があります。ストレートで飲んでみて「いかん、自分はまだまだジンのことが分かっていない」と思ってしまいました。
 なので、ジン・ストレート派で、ゴードンはまだ試したことがないという方は絶対経験して下さい。感性が変わりますから。

 で、毎度お馴染みのカクテルですが(しかし過去のを読み返すと、やたらとカクテルが登場している気がするなあ)


CocktailGlass.jpg

Rheingold
基酒:Gin 【ジン】
技法:ステア
度数:32度
グラス:カクテル・グラス
レシピ
[Gordon's] Gin 【[ゴードン] ジン】 1/2
Cointreau 【コワントロー】 3/10
Dry - Vermoute 【ドライ・ヴェルモット】 1/10
Campari 【カンパリ】 1/10

 1984年の第17回I.C.C.ハンブルク大会のプレディナー部門での優勝作品です。創作者は Rocco di Franco 【リコ・ディ・フランコ】 氏。Rheingold 【ラインゴールド】 の名前は「ラインの黄金」という意味です。ワーグナーのオペラ『ニーベルングの指輪』の4部作、序夜の題名ですね。4部作の中では一番短くて、2時間半の演奏です。
 ・・・一番短いんですよ。長いんじゃありません。
 これ、4日がかりで演奏する作品でして、第2夜『ワルキューレ』が3時間40分、第3夜『ジークフリート』が4時間、最後の第4夜が『神々の黄昏』で、4時間半。当然、間に休憩が入りますが、ある指揮者は(済みません。誰だか忘れてしまいましたが)「こんなのをマトモに演奏していたら気が狂う」と叫んだそうで。それはさておいて、北欧では最高の物語であることは確かです。


 もっと手軽なカクテルは、


レモネード


Gin Buck
基酒:Gin 【ジン】
技法:ビルド
度数:14度
グラス:タンブラー
レシピ
Gin 【ジン】 45ml
Lemon - Juice 【レモン・ジュース】 20ml
Ginger - Ale 【ジンジャー・エール】 適量

 タンブラーに氷を入れて、ジン、レモン・ジュース、ジンジャー・エールの順に注いで、一度だけかき回します。
 別名、 London - Buck 【ロンドン・バック】 。ロンドン・ジンなら何でもOK。暑くてたまらないときに、どうぞ。
 と、いったところで今回はお開き。



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